米CDC ファイザーワクチン3回目接種の対象発表 医療従事者も

アメリカのCDC=疾病対策センターは、製薬大手ファイザーの新型コロナウイルスワクチンについて、65歳以上の人や、18歳以上で重症化リスクが高い人、それに感染リスクが高い職場で働く医療従事者などが3回目の接種の対象になると発表しました。
これを受けて、アメリカの各州で対象者への追加の接種が始まることになります。

これはCDCのワレンスキー所長が24日、発表しました。

それによりますと、ファイザーの新型コロナワクチンの3回目の接種の対象になるのは、2回目の接種から少なくとも6か月がたった65歳以上の人や18歳以上で重症化リスクの高い人、それに医療従事者や教師など感染リスクが高い職場で働く人たちです。

このうち「接種を受けるべき」としたのは65歳以上の人と、基礎疾患などがあり重症化リスクが高い50歳以上の人で、「接種を受けてもよい」としたのは18歳から49歳の間で重症化リスクの高い人と、感染リスクが高い職場で働く人などです。

前日の23日に開かれたCDCの外部の専門家委員会は、感染リスクが高い職場で働く人については、3回目の接種の効果を示す証拠が十分ではないなどとして対象から外していて、CDCが専門家委員会の意見と異なる形で接種の対象を決めるのは異例です。

これについてワレンスキー所長は「ワクチンの接種は、医療や教育の現場で毎日、感染の危険にさらされている人を優先してきた。CDCの所長としての職務は、不確かな環境の中で多くの人に最大限の利益をもたらすことだ」と説明しました。

今回の発表を受けて、アメリカの各州で対象となる人への追加の接種が公式に始まることになります。

また、ファイザー以外の、モデルナとジョンソン・エンド・ジョンソンのワクチンを接種した人についてもCDCは「データがそろい次第、追加の接種について早急に判断する」としています。

バイデン大統領も国民に追加接種呼びかけ

ファイザーの新型コロナウイルスワクチンの追加接種の開始に当たり、バイデン大統領も会見し「追加接種の開始は、新型コロナウイルスとの闘いにおける重要なステップだ。接種の準備はできているので、対象となった人はぜひ受けてほしい。私自身も、可能なかぎりすぐ接種するつもりだ」と呼びかけました。

そのうえで「アメリカではまだ7000万人がワクチンを1回も接種していない。公職につく人の中にも、ワクチンについての誤った情報を拡散して接種の努力を妨げようとしている人がいるがこれは絶対に許されない。今起きているのは、接種していない人たちの間のパンデミックだ」と述べ、ワクチンの接種を受ける人を増やすことが引き続き重要な課題だとして、国民に接種を促しました。