アメリカのハイチ担当特使 難民申請者の強制送還に抗議の辞任

カリブ海の島国で、最貧国のひとつの、ハイチなどから来た人たちを、アメリカの国境警備当局が強制送還していることをめぐり、アメリカ政府のハイチ担当の特使が「非人道的だ」などとして、抗議の辞任をする事態となっています。

アメリカ南部テキサス州のメキシコとの国境地帯デルリオには、このところハイチなどから難民申請を希望する人たちが大勢詰めかけています。

アメリカの国境警備当局はそうした人たちの強制送還に踏み切り、今月19日以降、1400人以上が航空機でハイチへ送り返されたと伝えられています。

こうした中、アメリカ国務省は23日、ハイチ担当の特使を務めるフット氏が辞任したことを明らかにしました。

ブリンケン国務長官に宛てた辞表の中で、フット氏は「ハイチからの大勢の難民や不法移民を強制送還するという非人道的で非生産的な決定に、私は関わらない。ハイチという崩壊した国家は国民に安全と基本的なサービスを提供できていない」として、強制送還に強く抗議しています。

最貧国のひとつのハイチでは、ことし7月に大統領が暗殺されたのに続いて、先月には大地震で2000人以上が死亡し、不安定な状況に陥っています。

この問題をめぐっては、テキサス州南部の国境に詰めかけた人々に対し、馬に乗った国境警備隊員が手綱を振り回して威嚇している映像がSNSで拡散し、批判の声が高まっています。