日本企業の買収や出資など過去最多に コロナで事業見直し

新型コロナウイルスの感染拡大による事業環境の変化に対応しようと、企業の買収などが増えています。ことしの1月から先月までに日本企業が行った企業買収や出資などの件数は、過去最多となりました。

企業買収の仲介や助言を行うレコフによりますと、ことし1月から先月までに日本の企業が行った、ほかの企業の買収や出資の件数は2794件でした。

去年の同じ時期と比べ、382件、率にして15%余り多く、調査を始めた1985年以降で最も多くなりました。

このうち、最も規模の大きい買収は、日立製作所が、通信や金融、自動車などのソフトウエアを開発しているアメリカのIT企業を1兆円余りで買収したもので、コロナ禍で急速に進むデジタル化の需要を取り込むねらいがあります。

また、回転ずしチェーン「スシロー」などの運営会社は、コロナ禍で需要が伸びている持ち帰りすし店を展開する「京樽」を買収しました。

このほか、大企業が自社にない強みを持つ新興の企業に出資するなどして新しい技術やサービスの開発で協力するケースも多いということです。

レコフでは「コロナ禍で事業環境が急速に変わる中、多くの企業がこれまでの事業の見直しを図っていることが、買収などの増加につながっている」と分析しています。