米FRB 量的緩和縮小“近く判断”11月にも金融政策転換を決定へ

アメリカの中央銀行に当たるFRB=連邦準備制度理事会は22日まで開いた会合のあと声明を発表し、量的緩和の規模の段階的な縮小について「近く判断できる」と明記しました。次回、11月の会合にもこの政策転換を正式に決める見込みです。

FRBは22日までの2日間、金融政策を決める会合を開き、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて続けてきたゼロ金利政策と量的緩和からなる今の大規模な金融緩和策を維持することを決めました。

そのうえで、量的緩和の規模を段階的に縮小するテーパリングと呼ばれる対応について「経済状況が予想どおり進展すれば近く判断できる」と声明に明記しました。

雇用環境などの改善を見極め、次回、11月にもこの政策転換を正式に決める見込みです。

アメリカ経済の回復傾向が続いていることから、FRBは大規模な金融緩和の正常化を進めていく方針です。

今回は会合の参加者18人による政策金利の見通しも示され、来年・2022年中にゼロ金利政策が解除されると予測した参加者が9人と全体の半分に増えました。

これまで利上げは再来年と見込まれていましたが、その時期が前倒しされる可能性が示唆された形です。

ただ、アメリカでは変異ウイルスのデルタ株の感染が拡大するなど景気の懸念材料もあり、FRBの政策運営のかじ取りは今後も難しいものになりそうです。

FRB議長「来年半ばころ 終了の可能性高い」

FRBのパウエル議長は記者会見で、量的緩和の規模の縮小を近く決める見通しを示した理由について「量的緩和は危機の初期の段階で非常に重要な役割を果たしてきたが、そろそろ縮小する時がきた」と述べ、物価や雇用の状況の進展によって政策転換の下地が整ったという認識を示しました。

そのうえで具体的な縮小の進め方について「来年の半ばころに終了する可能性が高い」と述べ、金融市場から買い入れる資産の額を半年程度かけて段階的に減らしていく方針を示しました。

一方で、次の焦点となるゼロ金利政策の解除時期をめぐっては「量的緩和の縮小の方針は利上げの時期を直接、示唆するものではない。会合参加者は金融の引き締めを緩やかなペースで進めようとしている」として、量的緩和の縮小を決めたあとも緩和的な金融政策は続くとの見通しを示しました。

アメリカ経済の予測公表

今回の会合では、参加者によるアメリカ経済の予測が公表されました。

このうち、ことしの第4四半期時点の経済成長率については、前回、3か月前の7.0%から5.9%に下方修正され、デルタ株の感染拡大による影響が反映された形です。

一方、同じ時期の物価の上昇率は前回の3.4%からさらに引き上げられて4.2%と予測され、FRBが目安とする2%程度の水準を大きく上回る状況が見込まれています。

アメリカでは景気の急速な回復でインフレ懸念が強まっており、FRBが金融政策の正常化を図る背景になっています。