台湾 TPPへの加入を申請 中国側の反発も予想

日本をはじめとする11か国が参加するTPP=環太平洋パートナーシップ協定に台湾が加入を申請したことが明らかになりました。TPPをめぐっては中国も先週、加入を申請したばかりで、中国側の反発も予想されます。

台湾の内閣に当たる行政院の報道官が明らかにしたところによりますと、台湾は22日、日本をはじめとする11か国が参加するTPP=環太平洋パートナーシップ協定への加入を申請したとしています。

すでに参加国への説明も始め、加入についての支持を求めているということです。また、王美花経済部長など担当の閣僚らが23日、記者会見するとしています。

TPPをめぐっては先週、中国が加入を申請したばかりで、アジア太平洋地域での影響力を高めるねらいとみられています。

中国の加入申請が伝えられた際、王部長は台湾メディアに対し「われわれも参加国と非公式に協議をしており、機が熟せば当然、申請する」と加入に意欲を示していました。

また、王部長はかねて台湾はTPPの高い基準を満たすための法整備などを進めてきたと強調するとともに、知的財産の保護などの観点で中国にとってはハードルがあると指摘していました。

ただ「中国大陸と台湾はともに1つの中国に属する」と主張する中国の反発が予想され、加入に向けた交渉がスムーズに始まるかどうかは不透明です。

中国メディア「かく乱」と速報

台湾のTPPへの加入申請について中国共産党系のメディア「環球時報」の電子版は22日夜、台湾の通信社の記事を引用し「かく乱だ」とする見出しで速報しました。

中国政府は、台湾は中国の一部であるとする「1つの中国」の原則を堅持しています。

中国外務省の汪文斌報道官は今月7日の記者会見で、台湾がTPPに加入する可能性をめぐって「台湾が地域の経済協力に加入する場合は必ず『1つの中国』の原則に基づいて対処しなければならない」と述べ、台湾側をけん制していました。

外務省幹部「肯定的に受け止め」

外務省幹部はNHKの取材に対し「台湾は市場経済を採用しており、WTO=世界貿易機関における行動の実績などに照らしてもTPP加入にあたって求められるハイレベルな基準を満たすことが期待できるのではないか。日本と共通の価値観を共有するパートナーである台湾が加入を正式に申請したことを肯定的に受け止めている」と述べました。

政府関係者「歓迎することになると思う」

日本の政府関係者は、事実関係を確認中だとしたうえで「台湾は民主主義や法の支配など、日本とは普遍的な価値観を共有している。TPPが求める高いレベルの基準を満たすかどうかを見極める必要があるが、基準をクリアできるのであれば日本政府としては、歓迎することになると思う。今後は、これまでの加入申請と同じように参加国と相談することになるだろう」と話しています。

また「台湾には中国のように他国に経済的な威圧をかけるなどの問題はなくこれまでもTPPに関心があるという姿勢を示していた。加入に向けた法整備などの準備もしていると見て取れるので、先週、中国が加入を申請した際の受け止めとは異なるものになるのではないか」と話しています。

そして中国と台湾の関係については「中国は一定の反応を示すと思うので、注視していきたい」と話していました。

茂木外相「歓迎したい 戦略的観点で対応を」

茂木外務大臣は訪問先のニューヨークで記者団に対し「台湾は日本にとって、自由、民主主義、基本的人権、法の支配といった基本的価値を共有し、密接な経済関係を有する極めて重要なパートナーだ。また、かねてからTPPへの加入申請に向けたさまざまな取り組みを公にしていると承知している。その台湾が加入申請したことをわが国としてまず、歓迎したい」と述べました。

そのうえで「TPPの高いレベルを完全に満たす用意ができているかどうか、しっかりと見極める必要があるが、わが国としては、戦略的観点や国民の理解も踏まえながら対応していきたい」と述べました。