国連総会 まもなく首脳演説 問われる国際社会の結束

アメリカ ニューヨークでは、国連総会の首脳演説がまもなく始まります。

アフガニスタン情勢や新型コロナウイルス対策、それに地球温暖化への対応など、緊急の課題を前に国際社会が結束を示せるかが問われています。

ニューヨークの国連本部で開かれている国連総会では21日午前、日本時間の21日午後10時から首脳や代表による一般討論演説が始まります。

去年は、新型コロナウイルス対策で演説はすべて事前に収録したビデオを流す形式で行われましたが、ことしは国連本部での演説も可能になり、100か国以上の首脳や代表が議場で演説する予定です。

初日の21日には、アメリカのバイデン大統領やブラジルのボルソナロ大統領が議場で演説する一方で、中国の習近平国家主席などは、事前に収録したビデオを流すことになっていて、24日には菅総理大臣もビデオでの演説を予定しています。

ことしの主要な議題の一つがアフガニスタン情勢で、権力を掌握したイスラム主義勢力タリバンに対し、各国の立場に隔たりがある中、国民に人道支援を行き渡らせるため、いかに対応していくのか、各国がそれぞれの立場を表明する見通しです。

さらに、新型コロナウイルスのワクチンの公平な分配や、地球温暖化への取り組み、軍がクーデターを起こしたミャンマー情勢への対応などが焦点になりそうです。

すでにニューヨークでは、対面とオンライン形式を併用した首脳級の会合も相次いで開かれていて、多くの緊急の課題を前に、国際社会が結束を示せるかが問われています。

国連本部周辺 厳重な警戒態勢

日本時間の21日夜から各国の首脳や代表による演説が始まるのを前に、ニューヨーク、マンハッタンの国連本部の周辺は、不測の事態に備えて道路が封鎖されるなど、厳重な警戒態勢がとられています。

去年は、新型コロナウイルス対策で、演説はすべて事前収録のビデオを流す形式で行われたため、首脳や代表がニューヨークを訪れることはありませんでしたが、ことしは国連本部の議場で演説することも可能になり、100か国以上の首脳や代表がニューヨークを訪れる予定で、2年ぶりに厳重な警戒態勢がとられています。

20日からは、国連本部周辺の道路が封鎖され、配置された大勢の警察官が警戒に当たっているほか、建物の屋上からも武装した警察官が監視に当たっていて、一帯がものものしい空気に包まれています。

PCR検査やワクチン接種受けられる車両を用意

国連本部の前には、新型コロナウイルスのPCR検査やワクチンの接種を受けられる車両が用意されました。

車両は地元のニューヨーク市が用意したもので、首脳演説に合わせ国連本部に入る各国の代表団のメンバーは、無料でPCR検査やジョンソン・エンド・ジョンソンのワクチンを接種できます。

首脳演説が始まるのを前に20日、ホスト国アメリカのトーマスグリーンフィールド国連大使が現場を訪れ、みずからPCR検査を受けたことを明らかにしました。

そして「国連総会が大規模な集団感染のきっかけにならないよう、参加者は感染リスクを軽減するために、できることはすべてやってほしい」と話していました。