新型コロナ 1週間平均の新規感染者数 46の都道府県で減少

新型コロナウイルスの新規感染者数を1週間平均で比較すると、感染者数は依然多いものの、東京都など緊急事態宣言が出ている地域を含め、ほぼすべての都道府県で減少が続いています。

NHKは各地の自治体で発表された感染者数をもとに、1週間平均での新規感染者数の傾向について前の週と比較してまとめました。

全国の傾向

全国では、
▽先月19日までの1週間では前の週と比べて1.38倍、
▽先月26日は1.13倍と9週連続で増加していましたが、
▽今月2日に0.84倍とおよそ2か月ぶりに減少に転じたあと、
▽今月9日は0.64倍、
▽16日まででは0.55倍と3週連続で減少しています。

1日当たりの新規感染者数はおよそ6822人で、感染者数は依然多いものの先週と比べると半分近くまでに減少し、およそ1か月半ぶりに1万人を下回りました。

また、46の都道府県で減少し、緊急事態宣言が出されている19の都道府県すべてで減少が続いています。

1都3県

東京都は先月中旬までは9週連続で増加していましたが、
▽先月26日は0.91倍、
▽今月2日は0.72倍、
▽今月9日は0.59倍、
▽16日まででは0.55倍と4週連続で減少しました。
1日当たりの新規感染者数はおよそ1011人と依然多いものの先週より820人余り減り、直近1週間の人口10万人あたりの感染者数は50.86人と先週と比べて半分ほどになっています。

神奈川県は先月下旬までは9週連続で増加していましたが、
▽今月2日は0.82倍、
▽今月9日は0.58倍、
▽16日まででは0.53倍と3週連続で減少し、
1日当たりの新規感染者数は628人となっています。

埼玉県は先月中旬までは9週連続で増加していましたが、先月下旬から減少に転じ、
▽今月2日は0.79倍、
▽今月9日は0.60倍、
▽16日まででは0.64倍と4週連続で減少し、
1日当たりの新規感染者数はおよそ496人となっています。

千葉県は先月下旬までは12週連続で増加していましたが
▽今月2日は0.86倍、
▽今月9日は0.68倍、
▽16日まででは0.43倍と3週連続で減少し、
1日当たりの新規感染者数はおよそ367人となっています。

沖縄県

沖縄県は先月中旬までは6週連続で増加していましたが、
▽先月26日は0.97倍、
▽今月2日は0.84倍、
▽今月9日は0.72倍、
▽16日まででは0.64倍と4週連続で減少し、
1日当たりの新規感染者数はおよそ250人となっています。

一方で、直近1週間の人口10万人あたりの感染者数は120.58人と、全国で最も多い状態が続いています。

関西

大阪府は
▽今月2日までの1週間では前の週の1.02倍と9週連続で増加していましたが、
▽今月9日は0.73倍、
▽16日まででは0.57倍と2週連続で減少し、
1日当たりの新規感染者数はおよそ1019人となっています。
直近1週間の人口10万人あたりの感染者数は80.95人と、沖縄県に次いで多くなっています。

京都府は先月下旬までは9週連続で増加していましたが、
▽今月2日は0.89倍、
▽今月9日は0.70倍、
▽16日まででは0.49倍と3週連続で減少し、
1日当たりの新規感染者数はおよそ161人となっています。

兵庫県は先月下旬までは9週連続で増加していましたが、
▽今月2日は0.97倍、
▽今月9日は0.75倍、
▽16日まででは0.57倍と3週連続で減少し、
1日当たりの新規感染者数はおよそ391人となっています。

滋賀県は先月下旬までは8週連続で増加していましたが、
▽今月2日は0.85倍、
▽今月9日は0.50倍、
▽16日まででは0.51倍と3週連続で減少し、
1日当たりの新規感染者数はおよそ45人となっています。

中部

愛知県は
▽今月2日は1.16倍と9週連続で増加していましたが、
▽今月9日は0.79倍、
▽16日まででは0.54倍と2週連続で減少し、1日当たりの新規感染者数はおよそ750人となっています。
直近1週間の人口10万人あたりの感染者数は69.54人と、沖縄県、大阪府に次いで全国で3番目で、東京都よりも多くなっています。

岐阜県は先月下旬までは7週連続で増加していましたが、
▽今月2日は0.86倍、
▽今月9日は0.63倍、
▽16日まででは0.49倍と3週連続で減少し、
1日当たりの新規感染者数はおよそ85人となっています。

三重県は先月下旬までは5週連続で増加していましたが、
▽今月2日は0.75倍、
▽今月9日は0.47倍、
▽16日まででは0.45倍と3週連続で減少し、
1日当たりの新規感染者数はおよそ64人となっています。

静岡県は先月下旬までは7週連続で増加していましたが、
▽今月2日は0.89倍、
▽今月9日は0.50倍、
▽16日まででは0.53倍と3週連続で減少し、
1日当たりの新規感染者数は127人となっています。

その他の地域

北海道は先月下旬までは8週連続で増加していましたが、
▽今月2日は0.69倍、
▽今月9日は0.52倍、
▽16日まででは0.58倍と3週連続で減少し、
1日当たりの新規感染者数はおよそ106人となっています。

茨城県は先月下旬までは7週連続で増加していましたが、
▽今月2日は0.78倍、
▽今月9日は0.88倍、
▽きのうまででは0.61倍と3週連続で減少し、
1日当たりの新規感染者数はおよそ127人となっています。

栃木県は先月下旬までは6週連続で増加していましたが、
▽今月2日は0.68倍、
▽今月9日は0.73倍、
▽16日まででは0.70倍と3週連続で減少し、
1日当たりの新規感染者数はおよそ74人となっています。

群馬県は先月下旬までは8週連続で増加していましたが、
▽今月2日は0.71倍、
▽今月9日は0.48倍、
▽16日まででは0.50倍と3週連続で減少し、
1日当たりの新規感染者数はおよそ47人となっています。

広島県は先月下旬までは7週連続で増加していましたが、
▽今月2日は0.84倍、
▽今月9日は0.60倍、
▽16日まででは0.55倍と3週連続で減少し、
1日当たりの新規感染者数はおよそ95人となっています。

福岡県は先月下旬までは8週連続で増加していましたが、
▽今月2日は0.83倍、
▽今月9日は0.63倍、
▽16日まででは0.51倍と3週連続で減少し、
1日当たりの新規感染者数はおよそ279人となっています。

専門家“宣言期限まで2週間弱 解除時に増加傾向ないよう”

新型コロナウイルス対策にあたる政府の分科会のメンバーで、東邦大学の舘田一博教授は、現在の感染状況について「東京は一時の非常に厳しい状況は抜け出したが、1日の感染者数は1000人程度で、入院患者や重症患者は多い状況が続いている。たとえば東京では感染者数をさらに下げて、1日に500人を下回る状態をどれだけ続けられるかで医療のひっ迫の度合いが下がってくる。これから秋の連休を迎えるにあたって特に沖縄などでは観光地に多くの人が入ってきて感染が増加に転じないか、心配されている。緊急事態宣言の期限まで2週間弱あるが、解除の時に増加傾向が見られないようにしっかり下げることを目標にして、協力することが大事だ」と話しています。

そのうえで舘田教授は「秋や冬、寒い時期にはインフルエンザやかぜを含めてほかの呼吸器疾患も多くなる時期で、コロナが流行して大きな波を作ってしまうと鑑別も難しく、医療現場のひっ迫も高まってしまう。ワクチンの接種を終えた人はいま全体で50%ほどだが、80%を超えるよう進めていくことが重要だ。ワクチンは完全で絶対的なものではなく、受けた人が感染を起こしてしまうことも報告されているので、効果とリスクを考えながら、少しずつ段階的に社会経済を戻していくような方向性を議論する必要がある」と話しています。