妊婦の迅速な入院調整行う新システム導入へ 千葉県

先月、千葉県柏市で新型コロナウイルスに感染した妊婦の入院先が見つからず、自宅で出産した赤ちゃんが亡くなったことを受けて、千葉県は産科医などと緊急の搬送が必要な妊婦の情報を共有し、迅速な入院調整につなげる新たなシステムを導入することを決めました。

1か月前の先月17日、千葉県柏市で新型コロナに感染し自宅療養中だった妊娠8か月の女性の入院先が見つからず、自宅で早産となって、赤ちゃんが亡くなりました。

この問題を受けて、千葉県ではこのほど、県内の産科などの医師で作るグループと協力して、インターネットを活用し迅速な妊婦の入院調整につなげる新たなシステムを導入することを決めました。

これまで、妊婦の受け入れ先探しは、地域で見つからない場合は専門のコーディネーターが県内全域の病院に電話で個別に問い合わせていたため調整に時間がかかるケースもありました。

一方、新たなシステムでは妊婦の症状などの情報を入力すると病院の間で一斉に共有され、それぞれの病院が受け入れ可能かどうかなど、調整状況をリアルタイムで把握できるということです。

システムの運用は今月中にも始まる予定です。

産科医などのグループの会長で千葉大学病院周産期母性科長の生水真紀夫医師は「コロナの対応もあり柏市のケースでは迅速な意思決定ができなかった。こうした事案が再び起きないよう対応していきたい」と話しています。