全国の精神科病院 コロナ患者 転院できず235人死亡

全国の精神科病院に入院していた患者のうち、新型コロナウイルスに感染して転院先が見つからないまま死亡した人が230人余りに上ることが民間病院でつくる団体の調査で分かりました。病院団体は、患者が速やかに転院できる体制を整備するよう厚生労働省に要望しています。

全国1185の民間の精神科病院でつくる日本精神科病院協会は先月下旬、加盟する病院に緊急でアンケートを行い、6割から回答を得ました。

それによりますと、感染が確認された入院患者は合わせて3602人で、このうち235人は精神科病院の医師が転院が必要と判断して受け入れを要請したものの転院先が見つからずに死亡したということです。

理由について、感染の急拡大で医療がひっ迫していたことに加え、精神科病院の入院患者であることを理由に転院を断られたケースもあったとしています。

日本精神科病院協会は「精神科病院は精神疾患の治療に特化しているため、感染症の専門的な治療を行うには限界がある」として重症化した患者が自治体の責任で速やかに転院できる仕組みなどを整備するよう厚生労働省に要望しました。