再審無罪判決の内容を否定 損害賠償請求裁判で滋賀県が主張

18年前、滋賀県東近江市の病院で患者が死亡したことをめぐり、再審=やり直しの裁判で無罪が確定した女性が、滋賀県などに損害賠償を求めている民事裁判で、県が「女性が患者を心肺停止にさせた」などと再審での無罪判決の内容を否定する主張をしたことが分かりました。

西山美香さん(41)は、東近江市の湖東記念病院の看護助手だった平成15年に高齢の入院患者の男性が死亡したことをめぐり、殺人の罪で懲役12年の刑で服役したあと、去年、やり直しの裁判で無罪が確定しました。

西山さんは、滋賀県警などの不当な捜査で長期間、拘束されたとして滋賀県などに損害賠償を求める民事裁判を起こしています。

弁護団によりますと16日、大津地方裁判所で行われた非公開の進行協議で県側は「患者を心肺停止の状態に陥らせたのは西山さんだ」と主張したということです。

西山さんを無罪と判断した再審の確定判決は「病死だった可能性があり、事件性を認めるに足りない」と結論づけていて、県側の主張はこれを否定した形です。

弁護団長「無罪判決を踏まえていない あるまじき態度」

弁護団長を務める井戸謙一弁護士は、記者会見し「再審の判決自体が誤りで、殺害したのは西山さんだという趣旨の主張だ。無罪判決を踏まえていない、あるまじき態度で、確かな証拠もないのに名誉を毀損し侮辱している」と批判しました。

西山さん「強い憤りを感じる」

西山さんは「びっくりした。とても強い憤りを感じている。早く普通の女性になりたいと願っていたが、その道のりは長いです」と話していました。

一方、滋賀県は「係争中の案件なので、回答を差し控える。今後の裁判で適切に対応していく」とコメントしています。