37年前に千葉の海に流したガラス瓶 ハワイの女の子が発見

昭和59年、千葉県銚子市の高校のクラブ活動の一環で海流調査のために海に流されたガラス瓶が、ことし、37年ぶりにハワイで発見されました。

これをきっかけに、ガラス瓶を見つけた女の子などと高校の間で新たな交流が始まっています。

ことし6月、アメリカ ハワイ島の海岸で、岩の間に挟まっている泥だらけの古びたガラス瓶が発見されました。

瓶の中には、日本語のほか、英語、ポルトガル語、フランス語で「銚子沖で放流しました。拾ったら、日時や名前を記入して返送してください」と記されたメッセージが書かれた、ぼろぼろの返信用はがきが入っていました。

はがきには昭和59年、千葉県立銚子高校の自然科学クラブの生徒が海流調査の目的で海に流したガラス瓶だという説明も記されていました。

発見した近くに住む9歳の女の子、アビー・グラハムさんは、はがきを高校に送り返し、これをきっかけに、37年ぶりに発見されたことがわかりました。

高校によりますと、ガラス瓶は海上保安部の協力を得て、太平洋の黒潮に乗せて放流されたもので、鹿児島や沖縄など、国内だけでなく、フィリピンやアメリカ西海岸など、海外でも次々と見つかっていました。

しかし、調査開始から18年後の平成14年、鹿児島県喜界島で50本目が発見されたのを最後に、漂着の知らせは途絶えていたということです。

37年ぶりに、およそ6000キロ離れた場所で発見された今回の出来事は、現地の地元紙でも「映画の筋書きのようだ」と大々的に報道され、関心を集めました。

アビーさんは、調査に協力している東京大学大気海洋研究所の道田豊教授とのオンラインでのやり取りで「泥だらけで汚かったが、瓶の中から手紙を見つけたときは驚きました。宝物を見つけた気分でした」と、発見当時の様子について話していました。

そもそも、どうして37年ぶりにハワイでガラス瓶が見つかったのか。

道田教授は「4年から5年かけて太平洋を時計回りに進む亜熱帯循環と呼ばれる海流に乗って、北半球を何度か回り、最後には、嵐や高波でハワイにたどりついたのかもしれない」としています。

このガラス瓶をきっかけに、新たな交流が始まっています。

クラブの元顧問で、送り返されたはがきを受け取った林潤教頭は、父親のジョン・グラハムさんとメールでやり取りをしました。

この中でジョンさんは「娘の人生に貴重な経験となり、いい教育となった」と記していたということです。

また、高校の生徒たちは、お礼の気持ちを伝えるとともに、漁業の盛んな銚子のことを知ってほしいと、手紙に大漁旗のミニチュアを添えてアビーさんに送ることになりました。

2年生の八角希美さんは「温かい対応に感動しました。長い距離をつないでくれた縁を一生大切にしたい」と話していました。

また、2年生の山口明日香さんは「再び、いつか海外の誰かとつながることができたときに、ちゃんと話ができるよう語学を学ぼうと思いました」と話していました。

現在は、環境保全のため、こうした瓶を使った調査は行えませんが、今回の発見は来月開催される漂着物学会で報告されることになっています。