どうなる自民党総裁選挙!?あす告示 野田氏立候補で4人の争いに

菅総理大臣の後継を選ぶ自民党総裁選挙。

17日の告示を前に、ギリギリまで調整を続けていた野田幹事長代行が必要な推薦人20人を確保できたとして立候補を表明しました。

これにより総裁選挙は岸田前政務調査会長、河野規制改革担当大臣、高市前総務大臣、それに野田氏の4人で争われる構図が固まり、今月29日の投開票日に向けて選挙戦が始まります。

野田氏 立候補を表明

菅総理大臣の後継を選ぶ自民党総裁選挙で、野田幹事長代行は党本部で記者団に対し、必要な推薦人20人を確保できたとして立候補を表明しました。

そして「女性や子ども、高齢者、障害者が生きる価値があると思える保守の政治をつくりあげたい」と述べました。

菅総理大臣の後継を選ぶ自民党総裁選挙をめぐって、野田幹事長代行は立候補への意欲を示し、推薦人20人の確保に向けて自身と同じ無派閥の議員や女性議員に加え二階派や竹下派の議員にも支援を呼びかけていました。

また、石破元幹事長が15日、みずからの立候補を見送り河野規制改革担当大臣の支援に回る考えを明らかにしたことを受けて、石破氏に近い議員にも協力を求めていました。

こうした中、野田氏は16日夕方、自民党本部で記者団に対し「総裁選挙に必要な推薦人20人を整えていただき、このたび出馬させていただくことになった」と述べ、必要な推薦人20人を確保できたとして立候補を表明しました。

そのうえで「各候補者の政策はすばらしいものばかりだが、小さい人や弱い人たちを奮い立たせるような政策がなかなか見いだせなかった」と述べました。

そして「多様性や人口減少、高齢化の中でこれまで主役になれなかった女性や子ども、高齢者、障害者が社会の中で生き、生きる価値があるんだと思える保守の政治を自民党の中でつくり上げていきたい」と述べました。

また「しっかりと仲間と頑張っていくことを約束する。17日からの論戦で個別の政策については披露させていただきたい」と述べました。

野田氏は衆議院岐阜1区選出の当選9回で、61歳。平成5年の衆議院選挙で初当選し、小渕内閣では当選2回で郵政大臣に抜てきされました。

その後、消費者行政担当大臣や総務大臣、党の総務会長などを歴任し、現在は去年9月の菅内閣の発足に伴い二階幹事長を支える幹事長代行を務めています。

野田氏はこれまで総裁選挙への立候補にたびたび意欲を示し、安倍前総理大臣が選ばれた6年前と3年前の選挙では20人の推薦人を確保できずに断念し、去年も立候補を見送っていて今回が初めての挑戦となります。

総裁選挙には、岸田前政務調査会長、河野規制改革担当大臣、高市前総務大臣が立候補を表明していて、野田氏を加え4人で争われる構図が固まりました。

総裁選挙に複数の女性候補が立候補するのは初めてです。

岸田氏 経済界に支援働きかけ

自民党の岸田前政務調査会長は16日午前、東京 千代田区の経団連を訪れ、十倉会長らと面会しました。

この中で岸田氏は、新自由主義的な政策の転換や成長と分配の好循環による新たな資本主義を構築するなどとした、みずからの経済政策を説明しました。

このあと岸田氏は記者団に対し「十倉会長からは私の政策に『全面的に賛同する』という力強いことばをもらった。経済界と協力しながら、日本経済の再生や成長に向けて努力したい」と述べました。

そして、17日の告示を前に「訴えのボルテージを上げ、党改革や政策により力を込め発信していきたい。勝利に向けて最後まで戦い抜きたい」と強調しました。

一方、16日午前、国会内で岸田氏を支持する議員らが会合を開き、岸田派の根本 元厚生労働大臣をはじめ、細田派の高木 衆議院議院運営委員長、麻生派の森 元法務大臣、竹下派の渡辺 元復興大臣、谷垣グループの遠藤 元オリンピック・パラリンピック担当大臣らが出席しました。

この中では、支持の拡大に向けた今後の戦略や岸田氏の選挙対策本部の顔ぶれなどについて意見を交わしました。
午後には、自民党の当選1回から3回の有志の衆議院議員グループのメンバーと面会しました。

この中で、議員グループは、当選回数にこだわらずに人材を登用する仕組みの構築を進めることなどを求めました。

これに対し、岸田氏は「私は、党改革が政策とともに一丁目一番地だと確信しており、ぜひ皆さんの話を聞かせていただきたい」と応じました。

また岸田氏は、総裁に就任した際には、みずからが提案している党役員の任期に制限を設けることに加えて、国会議員以外の人材の党役員への起用も検討することや、組織運営の基本方針となる「自民党版ガバナンスコード」を作成するため、外部の有識者による委員会を立ち上げることなどを説明しました。

このあと、岸田氏は記者団に対し、17日告示される総裁選挙について「党改革はもちろん、新型コロナ対策をはじめとする政策を当初から訴えている。本当にやる気があるのは誰なのかを示すことが大事だ」と述べました。

河野氏 「基礎年金の財源に消費税の税収を」

自民党の河野規制改革担当大臣は16日午前、国会内で報道各社のインタビューに応じ、年金制度改革をめぐり「年金で『最低保障』を行うのは必要だ」と述べたうえで、保険料を支払わなかった場合に年金支給額が減額になる今の制度を改め、基礎年金の財源に消費税の税収を充てるべきだという考えを示しました。

また、選択的夫婦別姓や同性婚について「いずれも賛成だ。同性婚は憲法上の問題があるので、国会で党議拘束をかけずに広く議論してもらうのがいいのではないか」と述べました。

さらに、8年前に安倍政権で決め、2%の物価上昇率を「目標」と定めた政府と日銀の共同声明を見直す考えがあるか問われたのに対し「コロナ禍で金融政策を急に変えるわけにもいかず、しばらく維持していく必要がある」と述べ、慎重な考えを示しました。

一方、記者団から官僚との向き合い方について問われたのに対し「ことばづかいで気を付けなければいけないところはあると思う。そこは反省しなければいけない。ただ『現実を見ないままの役所の理屈は通らない』とは、厳しく指摘していきたい」と述べました。
午前、国会内で、みずからを支援する有志の国会議員の会合に出席しました。

会合には、小泉環境大臣のほか河野氏が所属する麻生派や二階派、石破派など派閥横断の若手議員およそ10人が集まりました。

小泉氏は「必勝に向けて全力で頑張ろう。戦国武将は戦に臨む際に抹茶を飲んでいた歴史もあるそうだ。大将に頑張ってもらいたい」と述べ、用意した抹茶を河野氏に勧めました。

そして、一気に飲み干した河野氏は「すっきりした気持ちになった。新しい日本、自民党を作っていきたい」と応じました。

このあと小泉氏は記者団に「調整型だけでは改革は難しく、突破力を発揮して突き進むことができるのは唯一、河野氏だ。菅政権のあとの政権が派閥の力学のもとでできあがる政権か、国民の支持を基盤とする政権かという戦いで、覚悟を決めて必勝を期したい」と述べました。

高市氏 支持拡大に取り組む

自民党の高市前総務大臣は、16日は国会内で支援する議員と面会したり、議員らの会合に出席したりするなどして支持拡大に取り組みました。

このあと高市氏は、地元・奈良の県議会議員とのオンラインでの会合に出席し、激励を受けました。

そして「すべての世代の安心感を創出していくための施策を実行したいという強い思いで立ち上がったので、力添えをお願いしたい」と支援を呼びかけました。

また出席者からエネルギー政策について問われたのに対し、高市氏は「電力の安定供給体制の確立が重要だ。先日、政府のエネルギー基本計画の素案ができたが、あれでは安定供給はできない。国家プロジェクトとして、小型の核融合炉の開発に取り組みたい」と述べました。

多くの派閥で支持する候補者の一本化見送る

今回の自民党総裁選挙では、岸田派を除く多くの派閥で支持する候補者の一本化を見送る動きが相次いでいます。

党内最大派閥の細田派は14日、派閥として支持する候補者は一本化せず、高市前総務大臣と岸田前政務調査会長の2人を支持するとしたうえでどちらに投票するかは各議員の判断に委ねることを決めました。

第2派閥の麻生派は16日、派閥として支持するのは所属する河野規制改革担当大臣と岸田氏の2人とする一方、高市氏への支持も容認することを決めました。

竹下派は最終的な対応は決めていないものの、それぞれの候補者の陣営に推薦人を出すことにしていて、一本化は見送る方向です。

二階派は16日、1回目の投票は自主投票とし、決選投票になった場合は結束して行動することを決めました。

岸田派は派閥会長の岸田氏の全面支援を決めています。

石破派は石破元幹事長が河野氏の支援に回る考えを明らかにしましたが、所属議員の行動は拘束しないとしています。

石原派は16日、自主投票にすることを決めました。

このほか谷垣グループは15日、岸田氏の支持を決めほかの候補者を支援したい議員の意向も認めるとしています。

麻生派 河野氏と岸田氏を支持 高市氏への支持も容認

麻生派は16日午後、国会近くの派閥事務所で緊急の総会を開きました。

この中で派閥の会長を務める麻生副総理兼財務大臣は先週、派閥の所属議員から意見を聴いた結果などを踏まえ、派閥としての対応を決めたことを明らかにしました。

そして「河野太郎、岸田文雄の両氏を基本的に支持したい」と述べ、派閥として河野規制改革担当大臣と岸田前政務調査会長の2人を支持する考えを示しました。

また、高市前総務大臣については「思想信条に最も共鳴するところが多いという人も正直、多くいる。思想信条に基づいてもらいたい」と述べ、高市氏への支持も容認する考えを示しました。

そして麻生氏は「新たな政権ができたら、みんなで一致して支えていかなけらばならない」と述べ、総裁選挙のあとは一致結束して新たな政権を支えるよう呼びかけました。

石原派 自主投票を決定 決選投票の対応は検討

石原派は16日午後国会近くの派閥事務所で総会を開き、会長を務める石原 元幹事長は「各候補者の政策を見極めて、責任を持って判断していただきたい」と述べ、派閥として候補者を一本化せずに自主投票とすることを提案し了承されました。

このあと石原氏は記者団に対し「異論なく、自主投票で決定した」と述べました。

一方、決選投票になった場合の対応については今月29日の投開票の直前に再び会合を開き検討するとしています。

竹下派 一本化を見送る方向

自民党竹下派は16日午後、党本部で会合を開きました。

この中で会長代行を務める茂木外務大臣は「それぞれの置かれている立場を尊重するのが基本だが、できるだけ意見集約してほしいという考え方もある。最終的に1つの方向が出せればベターだ」と述べました。

そして会合では、16日は意見の集約はせず引き続き情勢を見極めていくことになりました。

会合のあと茂木氏は記者団に対し、竹下派の議員が各陣営の推薦人になることは認めるとする一方、投開票日の直前に改めて会合を開き派閥としての最終的な対応を決めたいという考えを示しました。

竹下派としては一本化を見送る方向となっています。

二階派 1回目は自主投票 決選投票は結束して行動

自民党二階派は16日午後、国会近くの派閥事務所で会合を開きました。

この中では会長代行を務める河村元官房長官が「自分の信念に基づいて一人一人が考えて行動し、仮に決選投票になった場合は連携してまとまっていこう」と提案し、二階幹事長も「そのとおりだ」と応じました。

これに対して出席者から異論は出ず、1回目の投票は自主投票とし、決選投票になった場合には派閥として結束して行動することを決めました。

岸田派 党の支持団体などへの働きかけを強化

自民党岸田派は16日午後、国会近くの派閥事務所で会合を開き、岸田前政務調査会長が不在の中およそ30人が出席しました。

派閥幹部の林芳正 元文部科学大臣は「いよいよ17日から決戦の火ぶたが切って落とされる。岸田会長には、さらにパワーアップして頑張ってもらいたい。各グループの動向も定まりつつあるので、精力的に声かけをしてほしい」と述べ、国会議員への支持拡大にさらに取り組むよう求めました。

また、党員票の獲得に向け、党の支持団体などへの働きかけを強化することなどを確認しました。

安倍前首相 ツイッターで高市氏支持を表明

自民党の安倍前総理大臣は16日午後7時すぎ、みずからのツイッターで高市前総務大臣を支持することを表明しました。

この中で安倍氏は「コロナ禍の中、国民の命と生活を守り、経済を活性化するための具体的な政策を示し、日本の主権は守り抜くとの確固たる決意と、国家観を力強く示した高市氏を支持する」としています。

河野氏支援で石破元幹事長や小泉環境相が会合

自民党の河野規制改革担当大臣を支援する有志の国会議員は16日午後、東京都内のホテルで会合を開き、石破元幹事長や小泉環境大臣など派閥横断のおよそ30人が出席しました。

公務のため欠席した河野大臣はビデオメッセージを寄せ「皆さんと一緒に、自民党の改革を進め、前に進む日本の国をつくっていきたい」と呼びかけました。

このあと石破氏は「国民が納得し信頼する自民党でありたい。その問題意識を持っているのが河野氏だと強く確信している。この戦いは、古い自民党と国民との戦いだ。やるからには全身全霊で勝利しよう」と訴えました。

また、小泉大臣は「いろんな派閥で『自主投票』と言われているが、水面下の動きをみればそんなことはなく、強烈な働きかけや引き剥がしに悩んでいるという声が届いている。石破氏と共にマイクを握ったから排除されるというようなことがあったら、組織として健全とは言えない。河野氏のような強烈な個性の持ち主も躍動できるような自民党に変えなければならない」と強調しました。

森山国対委員長「河野氏をしっかり応援させてもらいたい」

自民党の河野規制改革担当大臣は16日午後、国会内で森山国会対策委員長と会談し、農業政策などについて意見を交わしました。

会談のあと森山氏は記者団に対し「農業分野でも必要な改革はしっかり進め、守るべきは守るのが河野氏の改革だと聞いて完全に意見が一致した。菅総理大臣の気持ちがどこにあるかもいろいろ考え、河野氏を、しっかり応援させてもらいたい」と述べ、河野氏を支援する考えを明らかにしました。

また、記者団から「菅総理大臣は河野氏を支援する考えなのか」と問われたのに対し「菅総理大臣に確認していないので分からないが、私はそう受け止めている」と述べました。

投票権を持つ党員らは全国で110万余り

自民党の総裁選挙管理委員会は16日、今回の総裁選挙の選挙人名簿を確定し、投票権を持つ党員らは全国で110万4336人となりました。

▽東京都が10万50人と最も多く
次いで
▽神奈川県の6万4509人
▽愛知県の4万7485人
などとなっています。

党員らによる投票は17日の告示以降、投票所での直接の投票やはがきなどで行われ、今月28日に締め切られます。

そして各都道府県連が集計した得票数を党本部でまとめ、いわゆるドント方式で候補者に配分され、国会議員票と同じ383票が結果に反映されます。