79歳女性殺害容疑の大学生 事件前夜 自宅アパートに放火疑いも

佐賀県鳥栖市で、79歳の女性を殺害したとして長崎市の大学生が逮捕された事件で、事件前日の夜、大学生が住むアパートの部屋で火災が起き、警察が放火の疑いもあるとして大学生の行方を捜していたことが分かりました。

今月10日、佐賀県鳥栖市の住宅の庭で大塚千種さん(79)が頭を鈍器で殴られて殺害された事件で、警察は15日午前、殺人の疑いで逮捕した長崎大学薬学部4年生、山口鴻志容疑者(25)を検察庁に送りました。

警察によりますと、山口容疑者は長崎市内のアパートの部屋に住んでいましたが、事件前日の今月9日の夜に、この部屋で一部が燃える火災が起きていたということです。

警察は、現場の状況などから放火の疑いもあるとして、山口容疑者の行方を捜していたということです。

山口容疑者は、調べに対して「事件の前日に長崎からJRで移動して博多で1泊し、当日、タクシーで鳥栖に行った」と供述していて、警察が事件前日からの行動について詳しく調べています。

アパート近くの女性「火事なのにパトカーがたくさん来た」

山口容疑者が住んでいた長崎市内のアパートの近くに住む60代の女性と、その30代の娘は、火事が発生した当時の状況について「部屋の中が燃えているのに住人本人と連絡が取れないと警察が言っていて、部屋の中は煙がすごいとか、ベッドが燃えているなどと話していました。火事なのにパトカーがたくさん来て、何が起きたのか説明がなく、ずっと不安でした」と話していました。

山口容疑者とは 事件前後の足取り

長崎大学によりますと、殺人の疑いで逮捕された山口鴻志容疑者は薬学部の4年生で、生活態度に問題はなかったということです。

ことし4月から先月まで前期科目の授業などは欠席することなく履修していたということです。

容疑者を知る薬学部に通う同学年の学生は「おとなしい雰囲気の学生だった。学年は同じだが、年齢が上ということもあり、関わりはあまりなかったが、まさかあんなことをするとは思わなかった」と驚いた様子で話していました。

一方、容疑者の供述や捜査関係者などへの取材から事件前後の足取りが分かってきました。

事件は、先月13日から今月26日までの薬学部の夏休み期間に起きました。

事件前日の今月9日の夜に容疑者が住む長崎市内のアパートの部屋の一部が燃える火災が発生し、警察が行方を捜していました。

容疑者は調べに対し、9日は長崎からJRに乗って福岡に移動し、博多駅周辺で1泊したと供述しているということです。

そして、事件当日の10日、鳥栖市にタクシーで移動したと話しているということで、そこで事件を起こしたとみられています。

長崎駅から博多駅は150キロ余り、そこから鳥栖市酒井東町の現場までは車でおよそ30キロです。

容疑者は事件のあと、その日のうちに再び福岡に移動したと供述しています。

そして、今月13日正午すぎ、福岡から直線距離で100キロ以上離れた大分市の大分中央警察署に自首しました。

山口容疑者が事件前日の今月9日から自首するまでの13日までに移動した距離は、300キロ以上とみられます。