コロナ自宅療養者 4人に1人が水害リスク想定区域 茨城県内

茨城県内で、新型コロナウイルスに感染し、自宅で療養している患者の4人に1人が、ハザードマップで水害のリスクが想定される区域に住んでいることが、県への取材でわかりました。感染拡大のおそれがあって、避難所での受け入れが難しい事態も想定され、県は宿泊療養施設など避難先の確保を進めることにしています。

茨城県は今月8日の時点で、新型コロナウイルスに感染し、自宅で療養している患者のうち、750人余りを対象に住んでいる場所を調べました。

その結果、26%に当たる197人の患者が「ハザードマップ」で、洪水や土砂災害のリスクが想定される区域に住んでいることがわかりました。

こうした患者は感染拡大のおそれのため、一般の避難所での受け入れが難しい事態も想定され、県は、県内に7か所あるホテルなどの宿泊療養施設を避難先として確保していて、現時点では十分に空きがあるとしています。

一方、宿泊療養施設が近くにない地域もあるため、車を持っていない人や、病状が重く自力で避難できない人について、避難をどう支援するかが課題となります。

県は、市町村の協力を得ながら、一般の避難所とは別に、自宅療養者専用の避難所として、体育館やホテルを一時的に確保することなどを検討するとしています。

県の担当者は「自宅療養者は今後、再び増える可能性があるので、早急に対応していきたい。自宅療養者はそれぞれハザードマップを確認し、避難指示が出された場合は県や保健所の指示にしたがってほしい」と話しています。

専門家「分散避難が重要」

災害看護や避難所の運営などに詳しい高知県立大学の神原咲子特任教授は「自宅で療養していてみずからは動けない人が多くいるほか、感染対策をしながら避難しなければならず課題は多く難しい状況だ。1か所の避難所に集めるのではなく、それぞれが分散して感染対策をとったホテルなどに避難してもらい、ICT=情報通信技術を活用して住民たちの避難先を行政が把握し支援できる態勢作りなどが求められる。住民もさまざまなことを想定してどこであれば避難ができるのか事前にシミュレーションしておくことが重要だ」と話しています。