総裁選 石破氏立候補見送り 細田派は一本化せず 14日の動きは

自民党の総裁選挙で動向が注目されていた石破元幹事長は、みずからの立候補を見送り河野規制改革担当大臣を支援する見通しとなりました。

一方、党内最大派閥の細田派は支持する候補者を一本化せず、高市前総務大臣と岸田前政務調査会長の2人を支持することを決めました。今後、各陣営による支持拡大の動きが激しさを増すことが予想されます。

石破氏 立候補を見送り 河野氏支援の見通し

自民党総裁選挙への立候補を検討していた石破元幹事長は立候補を見送って河野規制改革担当大臣を支援する見通しとなりました。

今月17日に告示される自民党総裁選挙で石破元幹事長はみずからの立候補について石破派の所属議員と対応を協議してきましたが、派閥内には立候補に慎重な意見が多く党内の情勢を見極めて近く判断する考えを示していました。

こうした中、石破氏は13日、すでに立候補を表明している河野規制改革担当大臣と会談し総裁に就任した際には挙党態勢を構築したいとして協力の要請を受けました。

これを受けて石破氏は今回の総裁選挙へのみずからの立候補を見送り河野氏を支援する見通しとなりました。

石破元幹事長は午後、党本部で二階幹事長とおよそ10分間、会談しました。

石破氏はこのあと国会内で記者団に対し「二階氏にはあす派閥の総会を開き、そこで総裁選挙への態度を表明することを伝えた。二階氏からは『そうか』と返事があった。総裁選挙にあたり党の責任者に自分の行動を説明することは当然のことだ」と述べました。

石破氏は15日開かれる派閥の総会で正式に表明することにしています。

細田派 一本化見送り 高市氏と岸田氏支持 投票は議員判断

党内最大派閥の細田派は派閥として支持する候補者の一本化を見送り、高市前総務大臣と岸田前政務調査会長の2人を支持するとし、どちらに投票するかはそれぞれの議員の判断に委ねることになりました。

細田派は午後、総裁選挙への対応を協議するため総会を開き、96人の所属議員のうちおよそ70人が出席しました。

出席者からは「派閥として明確な方針を打ち出すべきだ」という意見の一方「地域の実情などを踏まえて自由に選びたい」という声も出されました。

これを受けて会長を務める細田元幹事長は「総裁を選ぶことは政治家にとって極めて重大な政治活動で最終的には個人の責任だが、派閥の政策的な方向性や理念を考えると高市前総務大臣と岸田前政務調査会長を支持の対象としたい」と述べ、支持する候補者の一本化を見送り高市氏と岸田氏を支持する考えを示しました。

そのうえで細田氏がどちらに投票するかはそれぞれの議員の判断に委ねることも合わせて提案したのに対し異論はなく了承されました。

このあと事務総長を務める松野 元文部科学大臣は記者団に対し「『どうぞご自由に』ということではない。政策実現に向かってリーダーを選ぶのは重要な行為で、派閥としての方向性を示すべきだというのが細田氏の考え方だ」と述べました。

高市前総務大臣を支持する、細田派の高鳥修一 衆議院議員は記者団に対し「率直に良かった。今までの派閥の政策は保守的であり高市氏と共通点が多く支持するのは自然なことだ。派閥としての方向性が出たので派内の同志に積極的に働きかけていきたい」と述べました。

河野氏「ぜひ力をお貸しくださいとお願い」

河野規制改革担当大臣は閣議のあとの記者会見で13日、自民党の石破元幹事長と会談したことについて「石破氏が万が一、出馬しない時の支援のお願いや、もし河野総理 総裁が誕生した時には、その後の衆議院選挙など挙党態勢で取り組んでいかなければならずぜひ力をお貸しくださいとお願いした」と述べました。

河野氏はこれまで会談した党幹部にも同様の要請をしているとしたうえで「私の考えを議員一人一人に伝えて支援を積み上げていきたい」と述べました。
14日午後には党本部で、みずからに近い派閥横断の中堅 若手議員による会合に出席しました。

この会合は河野氏が初めて立候補した平成21年の総裁選挙のあと定期的に開いているもので細田派の柴山幹事長代理や石破派の平将明 衆議院議員らおよそ20人が出席しました。

この中で河野氏は「国民の共感を得られる政治を通じてぬくもりのある社会を目指していきたい。日本を前に動かしていく大きな目標に皆さんと一緒にチャレンジしたい」と述べ、協力を要請しました。

そして会合では国会議員や党員に対し、河野氏への支持を呼びかけていくことを確認しました。
また13日に続いて、14日も議員会館の党所属議員の事務所で挨拶回りを行いました。

このうち学生時代に河野氏の事務所でインターンシップで職業体験をしていた竹下派の山下雄平 参議院議員の事務所では「支援をお願いしたい」と支持を呼びかけました。

そして山下氏の求めに応じて、先月出版した著書に「信」と書き込み「国民の信頼を得られる政治をしっかりやっていきたい」と意気込みを語っていました。

岸田氏「私はチーム力で結果を出す」

岸田前政務調査会長は午前、報道各社のインタビューに応じ、今回の総裁選挙の争点の1つは党改革だとして「制度の改革を行うことが党の信頼回復につながる」と述べ、党役員の任期に制限を設けることなどの重要性を重ねて強調しました。

また自身が総理大臣に就任した場合の組閣や党役員人事の考え方について「一人一人の能力はもちろん大事だが組み合わせが重要なポイントであり、チームとして力を発揮できるかを考えて人事を決めたい。私はチーム力で結果を出す」と述べました。

そして「内閣人事局」による中央省庁の人事管理については「トップダウンだけで人事が行われてはチーム力を発揮できない」と指摘しました。

また憲法改正をめぐって「緊急事態対応」など党がまとめた4項目の改正案について「感染症という大きな国難を前に国民の中にもいろんな議論がある」と述べ「緊急事態」の中に感染症も含めるか議論すべきだという考えを示しました。

一方、安定的な皇位継承の確保に向け、旧宮家の皇籍の復帰について見解を問われたのに対し「選択肢の1つとして議論を進めていくべきだ」と述べました。
また、午後は子育て中の女性とオンラインで意見を交わしました。

この中で保育士として働く女性からは「保育業界は以前から人手が不足しているが、新型コロナの影響で感染対策など業務の負担がさらに増えている」という声が寄せられました。

これに対し岸田氏は「保育士をはじめエッセンシャルワーカーの皆さんは大変な苦労をされている。今回の総裁選挙では保育の現場などで働く人の所得を引き上げるべきだと提案していて皆さんが報われるようにしたい」と述べました。
14日夜にはフジテレビのBS番組「プライムニュース」に出演しました。

この中で、総裁選挙で勝利した場合、争った候補者を要職で起用する考えがあるか問われたのに対し「挙党態勢なのでどなたも排除することはない。老、壮、青のバランスの中で若手もしっかり登用しなければいけない。何よりも大事なのはチーム力であり総合力を発揮する組み合わせが大事だ」と述べました。

また河野規制改革担当大臣をめぐって小泉環境大臣が支持を表明し石破元幹事長も支持する見通しとなっていることについて「4番バッターを3人も4人もそろえて野球は勝てるのか。相手の動きは気になるがみずからの戦いをしっかり進めるという思いを強くしている」と述べました。

高市氏「勝ちにいくつもりで頑張る」

高市前総務大臣は14日は13日に続いて衆参両院の議員会館で挨拶回りを続け、テレビ番組にも出演しました。

夕方、国会内で記者団に対し「議員からは温かい励ましをもらいうれしかった。一生懸命、挨拶回りをしている」と述べました。

また14日みずからの選挙対策本部の初会合が開かれることについて「選挙対策本部の立ち上げまでこぎつけたことがありがたくてたまらない。勝ちにいくつもりで頑張る」と意気込みを述べました。

そして14日夜、国会内で選挙対策本部の初会合を開き、高市氏がかつて所属していた細田派や派閥に所属していない議員などおよそ40人が出席しました。

選挙対策本部長に就任した無派閥の古屋 元国家公安委員長は「すばらしい伝統文化を守っていくためには大胆な改革もいとわない、それが真の保守主義だ。保守主義の候補者は高市氏ひとりであり、しっかり支え、日本のリーダーに押し上げていきたい」とあいさつしました。

そして高市氏は「何よりも大切な国民の命を守るために必要な政策を一刻も早く打ち出したい。総裁選挙に出るからには勝ち、しっかりと皆様と政策を実行する、その覚悟を持って戦っていく」と決意を示しました。

高市氏は選挙対策本部の初会合のあと記者団に対し「衆議院選挙が迫り国会議員は地元に張り付かなければならない厳しい状況の中で多くの議員が来てくれて本当に力強く感じている」と述べました。

そしてかつて所属していた細田派がみずからと岸田前政務調査会長の支持を決めたことについては「無派閥の私に対して温かい気持ちをいただき、心から感謝している」と述べました。

一方記者団から日本学術会議が推薦した会員候補を任命しなかったことをめぐる政府の説明責任について「本人の名誉やプライバシーに関わるような場合は説明されないこともあるが、『絶対にダメだ』という何かがあるならば一定程度説明があってもいいのではないか」と指摘しました。

また高市氏は新型コロナウイルスの影響が長引いていることを踏まえ、今年度の補正予算案を早期に編成し生活に困っている人を対象にした10万円程度の追加の給付が必要だという認識を示しました。

野田氏 推薦人の確保に向けて調整を進める

自民党の野田幹事長代行は14日も、立候補に必要な20人の推薦人の確保に向けて調整を進めました。

午前中は国会内で閣僚経験者と会談し直接協力を求めたほか、午後には党本部で二階幹事長と会談しました。

会談では党内情勢や推薦人の確保状況などについて意見を交わしたものとみられます。

野田氏は引き続きみずからと同じ無派閥の議員だけでなく二階派や竹下派など派閥に所属している議員にも支援を呼びかけ推薦人の確保を急ぐ方針です。

また野田氏は14日夜みずからのブログを更新しました。

この中で立候補を表明している3人の政策について「誰ひとり、子ども、女性、障害者、介護政策、貧困の格差などに触れている候補者がおらず、とても残念な気持ちになった。コロナ禍で女性たちが抱える孤独感や困難に寄り添うことから始めたい」と指摘しています。

そのうえで「やはり私自身が動く必要性を強く感じ残された期間で準備に入る覚悟をしたところだ。この総裁選挙では自民党の多様性を国民に知ってもらうことが重要と考えている」として立候補に改めて意欲を示しました。

若手議員ら総裁選への提言を二階幹事長に説明

総裁選挙を前に自民党の当選1回から3回の有志の衆議院議員グループのメンバーは午後、二階幹事長と面会しました。

そして総裁選挙の候補者に対し議員グループとの意見交換の機会を設けることや当選回数にこだわらずに人材を登用する仕組みの構築を進めることなどを求めた緊急提言について説明しました。

これに対し二階幹事長は「自民党は新しいことを若い人間がやる党だ。どんどんやるように」と激励したということです。

このあと議員グループの代表世話人の福田達夫 衆議院議員は記者団に対し「今回の総裁選挙は国民に政治を身近に感じてもらう最大のチャンスだ。派閥一任などではなく一人一人の党員や議員が自分の判断で投票できるような環境をつくってほしいと二階氏にも伝えた」と述べました。

参議院 竹下派 関口参院議員会長に対応一任

自民党竹下派に所属する参議院議員は午後、国会内で臨時の総会を開き、関口参議院議員会長や尾辻 元参議院副議長ら20人全員が出席し、総裁選挙の対応をめぐっておよそ30分間、意見を交わしました。

この中で出席者からは「目前に迫る衆議院選挙だけでなく来年夏に予定されている参議院選挙を見据えどの候補者が適任かを選ぶべきだ」という意見が相次ぎました。

そして今後の対応を関口氏に一任することを決め関口氏が竹下派の衆議院側と調整を進めることになりました。

井上万博相「河野大臣の突破力や行動力に大いに期待したい」

自民党の井上万博担当大臣は閣議のあとの記者会見で「新型コロナなどでなかなか厳しい時代であるからこそ河野大臣の突破力や行動力に大いに期待したい」と述べ、みずからが所属する麻生派の河野規制改革担当大臣を支持する考えを表明しました。

一方、記者団が「河野大臣は核燃料サイクル政策に否定的な考えだが、科学技術担当大臣の立場でどう考えるか」と質問したのに対し、井上大臣は「総裁選挙の中での各候補の政策についてはコメントは差し控える。閣僚としては、現在の政府の方針に基づいてしっかり取り組んでいく」と述べました。

棚橋国家公安委員長「河野大臣を応援している」

自民党の棚橋国家公安委員長は閣議のあとの記者会見で「河野大臣を応援している。同期当選で25年間の友情があり同い年で同じ政策集団に属している。河野大臣の政策は安全・安心な国づくりと日本社会の豊かさを維持するため、改革意欲に燃えると同時に、現実的な選択肢を示していると思う」と述べ、みずからが所属する麻生派の河野規制改革担当大臣を支持する考えを表明しました。

小泉環境大臣 河野氏支持を表明

小泉環境大臣は地元の神奈川県横須賀市で14日夜、記者会見し、今回の自民党総裁選挙で河野規制改革担当大臣を支持すると明らかにしました。

小泉大臣は河野氏を支持する理由として「候補者の中で唯一新型コロナ対策の責任者であり気候変動の危機も忘れてはならない重要課題として掲げている。コロナによって日本も世界も変わる時に自民党も変わらなければならず その時に誰が党風を一新できるのか答えは明らかだ」と指摘しました。

また河野氏が石破元幹事長との会談で挙党態勢を構築したいとして協力を要請したことについて「自然なことだ。石破氏が応援するなら河野氏を応援できないという理屈がまかり通ることはさっぱり理解できない」と述べました。

一方、最大派閥の細田派が高市前総務大臣と岸田前政務調査会長の支持を決めたことについて「細田派は言い換えれば『河野太郎は絶対にダメだ』ということだ。党内の力学ではなく国民や党員の支持を基盤にした改革をしないといけない。強烈な個性を持つ人が躍動できる自民党になるべきで、古い良き自民党には戻ることは国民や党員が求めていることではない」と述べました。