アメリカ 同時多発テロ 20年を前に事件現場などで追悼の催し

アメリカで起きた同時多発テロ事件から20年となるのを前に、各地の事件現場などでは追悼の催しが行われています。

このうちニューヨークでは10日夜、旅客機が激突した世界貿易センタービルに駆けつけビルの崩壊に巻き込まれて犠牲になった消防士や警察官を追悼する式典が開かれました。

式典の会場には、犠牲になった400人余りの顔写真が壁一面に飾られていて、訪れた人たちがカーネーションをささげていました。

消防士だった父を亡くしたという女性は「何年たっても、どれだけ時間がすぎても痛みは決して癒えることがありません」と話していました。
また、ハイジャックされた旅客機「ユナイテッド航空93便」が墜落し、乗客乗員40人全員が犠牲になった東部ペンシルベニア州シャンクスビルの現場でも10日、追悼式が行われ、犠牲者の名前が刻まれた慰霊碑に遺族や友人がキャンドルをともしました。

ユナイテッド航空93便では乗客乗員がテロリストから機体を取り戻そうと抵抗して山あいに墜落し、旅客機に乗っていた当時大学生の久下季哉さんも犠牲になりました。

遺族会によりますと、久下さんの家族は新型コロナウイルスの影響で追悼式に出席できなかったということで、地元の人たちが代わりに折り紙の鶴や花束を手向けていました。

遺族たちでつくる遺族会の代表を務めるゴードン・フェルトさんも事件で兄を失いました。

フェルトさんは「9月11日は厳粛な日です。私たちは過去を思い出し、失った人たちを悼み、その英雄的な行動をたたえます。亡くなった人たちのことを忘れてはいけません。記憶を忘れてしまえばまた同じことが起こる可能性があるからです」と話していました。

バイデン大統領 「結束こそ私たちの最大の強み」

アメリカ同時多発テロ事件から20年となるのに合わせて、バイデン大統領はビデオメッセージを発表し、事件の犠牲者や遺族に哀悼の意を表したうえで「結束こそ私たちの最大の強みだ」と述べて国民に団結を呼びかけました。

アメリカのバイデン大統領は同時多発テロ事件から20年となるのに合わせて10日、ツイッターにビデオメッセージを投稿しました。

この中でバイデン大統領は「どれだけ時間がたとうともこの日は数秒前に知らせを聞いたばかりのような痛みを思い起こさせる」と述べ、犠牲者や遺族に哀悼の意を表しました。

そのうえで「事件のあと私たちは非常にまれな、国民の真の結束を目の当たりにした。心の傷に直面しても回復し立ち直る力を見せた」と述べました。

そして「結束こそが私たちの最大の強みでアメリカをすばらしいものにしている。私にとってそれが同時多発テロ事件で最も学んだことだ。暗闇の中にこそ光を見つけることができる」と述べ、国民に団結を呼びかけました。

バイデン大統領はビデオメッセージの中で、テロ事件を受けてイスラム系アメリカ人に暴力や怒りが向けられ国の結束が損なわれたと指摘しています。

メッセージは、国内で政治的な分断が深まっていることへの懸念も念頭にあるとみられます。

バイデン大統領は、11日にはテロで崩壊したニューヨークの世界貿易センタービルの跡地など3か所の現場を訪れて追悼式典などに参加することにしています。

駐日米臨時代理大使「日本人24人含む犠牲者の冥福祈る」

アメリカ同時多発テロ事件から20年となるのに合わせて、日本に駐在するアメリカのグリーン臨時代理大使はビデオメッセージをツイッターに投稿しました。

グリーン臨時代理大使は「あの運命の日に犠牲となった日本人24人を含むおよそ3000人のご冥福を心よりお祈り申し上げます。憎むべきテロの犠牲となった方の友人や彼らを愛する皆様とともに引き続き哀悼の意を表します。あの苦しい時に寄り添い共に悲しんだ友人や仲間の皆様にも思いをはせています。テロのあとには日本の消防士が現地に駆けつけ世界貿易センタービルでの捜索や救助活動に加わりました。多大なご支援と変わらぬ友情に心より感謝申し上げます」と述べています。