東日本大震災から10年半 行方不明の妻へ祈り 宮城 東松島

東日本大震災の発生から11日で10年半です。宮城県東松島市では、津波で妻が行方不明となっている男性が自宅で祈りをささげました。

東松島市野蒜に暮らしていた武田政夫さん(85)は10年前の津波で50年以上連れ添った妻の千代子さん(当時73)が行方不明となり、今も見つかっていません。
東松島市の災害公営住宅に1人で暮らす武田さんは、毎朝自宅で千代子さんの写真と花が飾られた仏壇に手を合わせていて、11日も、祈りをささげていました。

巨大地震が起きたあと、自宅にいた武田さんと千代子さんは高台の公民館に避難しましたが、千代子さんは、息子から預かっていた飼い犬を自宅に残したことが気になり、自宅に引き返しました。

自宅は土台だけを残して津波に流され、千代子さんは行方不明となりました。

武田さんは1週間ほど市内の遺体安置所に通いましたが、見つからず、震災が起きた年の8月に葬儀をしました。
当時を振り返り、武田さんは「第1波で津波にのまれたとわかってことばでは言い表せない気持ちになりました。あれから10年6か月、長いようで短いようです。いつか一片の骨でも私のところに帰ってくれば、抱いて寝ようと思っています。もう海中深く、生涯会うことのできない遠い場所にいってしまったなという思いもあります。少しでも早く自分のところに帰ってくることを、毎日願っています」と、涙を流しながら話していました。