東日本大震災から10年半 亡き夫への思い描いた動画 SNSで反響

東日本大震災から11日で10年半となります。津波で夫を亡くした宮城県気仙沼市の女性が自身の実体験や夫への思いを描いた動画が、最近になってSNSで反響を呼んでいます。

動画は、気仙沼市で美容院を経営している小野寺可倫さん(38)が1年ほど前から制作、投稿しているもので、若者に人気の動画共有アプリ「TikTok」に投稿されています。

小野寺さんは、震災直後に行方不明になった夫の直也さん(当時31歳)を捜すため、遺体安置所などを1か月半にわたって歩き回った体験や、その後、子どもたちと励まし合って生きてきた生活を、柔らかいタッチのイラストと素朴なことばで表現しています。

そうしたイラストに音楽を付けて20本以上の震災関連の動画を投稿し、累計の再生回数は合わせて600万回を超えています。

小野寺さんは当初、夫を失った悲しみで震災の話から遠ざかっていました。

震災からまもなく10年となる去年の秋、趣味として利用していた「TikTok」で不思議に感じた体験として「夫が行方不明の時、ふと、夫の声が聞こえた」という話を投稿したところ、家族を亡くした人などから共感を伝えるコメントがおよそ200件寄せられました。

その反響の大きさをきっかけに震災の話を投稿するようになり、夫に会いたいという思いから霊感を高める特訓をしたことなど、これまでの体験を包み隠さず伝えています。
小野寺さんは「SNSで多くの共感をもらい、悲しみは共有してもよいものだと思えるようになりました。いつ何が起きるかわからないので、いま、自分が生きていることや大切な人と過ごす時間の尊さを感じてもらえればうれしい」と話しています。