自民党総裁選 河野規制改革相が立候補表明 10日の動き

今月17日の告示まで1週間となった自民党総裁選挙は10日、河野規制改革担当大臣が立候補を正式に表明しました。
岸田前政務調査会長、高市前総務大臣と少なくとも3人による選挙戦が確実となり、今後、各陣営による支持拡大の動きが加速する見通しです。

河野規制改革相 立候補を正式表明

河野規制改革担当大臣は、午後4時から国会内で記者会見し「皆さんの思いや不安を受け止め、情報を共有してしっかりとしたメッセージを出し、皆さんと一緒に直面する危機を乗り越えていかなければならない。共感していただける政治を通じて、ぬくもりのある社会をつくっていきたい」と述べ、立候補を正式に表明しました。

そして「新しい価値を生み出し、世の中を便利にするのがこれからの改革だ。みんなが、『しっかりと手を伸ばせば、欲しい物をつかむことができる』と思って、一生懸命、手を前に出していくのを引っ張っていくリーダーになりたい」と決意を示しました。

そのうえで、経済対策について「コロナの前に戻るのではなく、未来につながる投資をしなければならない。全国どこでもテレワークができる5Gネットワークや、カーボンニュートラルを目指すための新しい技術など、未来の日本経済を引っ張っていくものにしっかりと投資をしなければならない。そして、デジタルの力で日本を前に進めていかなければならない」と述べました。

一方、原子力政策をめぐり、将来的な「脱原発」を目指すべきという主張を変更したのか問われたのに対し「いずれ原子力はゼロになると思うが、カーボンニュートラルを2050年までに達成するには、まず省エネをやり、再生可能エネルギーを最大限に導入していく。それでも足らないところは安全が確認された原発を当面は再稼働していくことが現実的だ。新設や増設は現実的ではない」と述べました。

また、安定的な皇位継承に関連して、女系天皇への考えを問われたのに対し「有識者会議で非常に堅実な議論をしていただき、多くの方がなるほどと思えるような取りまとめを出してくれるのではないかと期待している。国民に広く説明し、支持をいただいたうえで、前へ進んでいかなければいけない」と述べました。

そして、「森友学園」をめぐる財務省の決裁文書の改ざん問題について、再調査の必要性を問われたのに対し「すでに検察などが動いているので、必要ない」と述べました。

さらに、アメリカ軍普天間基地の名護市辺野古への移設について、基地の危険性を除去する必要があるとして「移転は一刻も早くやらなければならない」と述べました。

また、自身の強みを問われたのに対し「実行力・突破力は誰にも引けを取らないと思っている。新型コロナウイルスのワクチン接種を全国の自治体と調整し、アメリカに接種率で肩を並べたことを考えると調整力も優れていると自負していいのではないか」と述べました。

河野氏は、衆議院神奈川15区選出の当選8回で、58歳。
自民党総裁を務めた河野洋平・元衆議院議長の長男で外務大臣や防衛大臣などを歴任しました。

総裁選挙への立候補は2009年に続いて2回目で、今回の総裁選挙への立候補の表明は、岸田前政務調査会長、高市前総務大臣に続いて3人目です。

新型コロナ 今後の対策 お願いするなら補償を

河野規制改革担当大臣は、夜、民放のテレビ番組に出演したあと、記者団の取材に応じました。

この中で、今後の新型コロナウイルス対策をめぐり「『ロックダウン』=都市封鎖に限らず、人流の抑制や医療提供体制の拡充、水際対策もある。今、どういうメニューがあり、どういうものを実際に使っていて、こういう部分を新たに足したいということをそろえて示したうえで、議論していく必要がある。お願いをする以上は、きちんと補償をするのが大事だ」と述べました。

麻生派議員に支援要請 二階幹事長とも会談

河野規制改革担当大臣は午後、みずからが所属する麻生派の議員に呼びかけて会合を開きました。

会合には、棚橋国家公安委員長らベテラン議員から若手議員まで、およそ20人が出席し、河野氏は、総裁選挙への立候補の決意を伝えたうえで、みずからの主張や政策などについて説明し、支持の拡大に協力を呼びかけました。

また、これに先立って河野氏は、昼すぎに自民党本部で二階幹事長らと会談し、立候補の意向を伝えました。

出席者によりますと、河野氏が「よろしくお願いします」とあいさつしたのに対し、二階氏は「頑張れ」と応じたということです。

岸田前政務調査会長 病院関係者などと意見交換

岸田前政務調査会長は午前中、新型コロナウイルスの患者を受け入れている都内の大学病院の関係者とオンラインで意見を交わしました。

この中で、大学病院の関係者は「現在37人の患者が入院しているが、このうち7人はワクチンを2回接種している。現場の実態を聞いてもらいたい」と話し、政治判断による医療体制の構築を要請しました。

これに対し、岸田氏は「患者のたらい回しを防ぎ、適切な医療にアクセスできる体制を作らなくてはならず、『健康危機管理庁』という全体の司令塔を作りたい」とみずからが打ち出している新型コロナ対策を説明しました。

このあと、岸田氏は記者団に対し「国や自治体などが横並びの状態であることが、医療の目づまりの原因だと指摘された。司令塔を作る重要性を痛感し、訴えにより磨きをかけたい」と述べました。

午後は沖縄県の職域団体の関係者とオンラインで意見交換し、新型コロナウイルスの影響を受けている事業者への支援について要望を受けるとともに、総裁選挙への協力を呼びかけました。

このあと岸田氏は、国会内で記者団に対し、河野規制改革担当大臣が立候補を表明したことについて「自民党が幅広い選択肢を持つ政党だと示す重要なチャンスだ。多くの候補者で活発な論戦を行い、自民党の信頼回復につなげていきたい」と述べました。

そのうえで「私のアピールポイントは聞く力とチーム力だ。政治家は人の話を聞けない人間が意外に多いと言われるが、私は聞く力は誰よりも優れていると自負している。また政治は全員野球だ。官僚も含めて多くの関係者とチームを組むことが大事で、どなってばかりではチーム力は発揮できない」と述べました。

高市前総務相 テレビ番組などに相次いで出演

すでに立候補を表明している高市前総務大臣は、テレビ番組などに相次いで出演したあと、午後、国会内で記者団の取材に応じました。

この中で高市氏は、党内での支持拡大の取り組みについて「最初は無派閥の議員を中心にお願いしてきたが、細田派や竹下派、二階派の議員にも入ってもらい、支持の拡大をやってもらっている」と述べました。

また、河野規制改革担当大臣の立候補の表明について「たくさんの候補が出て、アイデアを競い合って総裁選挙が行われることは、党の政策に厚みが出るので、うれしいことだ」と述べました。

一方で「河野大臣は『原発反対』という印象がある。私は、高レベルの放射性廃棄物が出ず、安全で環境に優しい小型の核融合炉が実現すれば、安定的な電力供給体制ができると思っている」と述べました。

さらに高市氏は、日本の防衛費について「諸外国に比べ、GDP比で見ると少なすぎる」と指摘し、予算を増やすべきだという認識を示しました。

石破元幹事長 ブログ更新 「自己満足避けなくては」

石破元幹事長はみずからのブログを更新しました。

この中で石破氏は、菅総理大臣らと争った去年の総裁選挙について「党の在り方や政策全般について完成度の高いものを提示できたと自負しているが、結果はまさしく惨敗そのもので、自民党も国も変えることにはつながらなかった」と振り返りました。

そのうえで「多くの同志の負担や犠牲を伴いながら同じことを繰り返し、何も得られないとすれば、自己満足にしかすぎず、今回それを繰り返すことは避けなくてはならない。岸田氏、高市氏、河野氏の主張をよく聴きながら、私の出馬も含めて、採るべき道を決断するつもりだ」としています。

また、議員会館の事務所で、石破派の議員と党内情勢について意見を交わすなどしました。

河野規制改革担当大臣が立候補を表明し、3人以上による選挙戦が確実になったことを受けて、石破氏は、議員や党員の支持動向を見極めながら、今後の対応を慎重に検討することにしています。

野田幹事長代行 推薦人の確保を急ぐ

野田幹事長代行は午後、議員会館の事務所で、みずからに近い議員と会談し、党内の情勢を分析したうえで、立候補に必要な20人の推薦人の確保状況について確認しました。

野田氏は引き続き、自身と同じ無派閥の議員だけでなく、竹下派や二階派など、派閥に所属する議員にも支援を呼びかけ、推薦人の確保を急ぎたい考えです。