8月の融資残高 576兆円余 2か月ぶり減も中小企業向けは高水準

銀行と信用金庫の先月の融資残高は576兆円余りと、2か月ぶりに前の月から減少しました。
業績が堅調な大企業を中心に借り入れの返済が進んでいるためですが、中小企業向けの融資残高は依然として高い水準となっています。

日銀が発表した「貸出・預金動向」によりますと、全国の銀行と信用金庫が企業や個人に融資した残高は、先月1か月間の平均で576兆8481億円となり、2か月ぶりに前の月より減少しました。

これは、業績が堅調な大企業を中心に借り入れを返済する動きが進んでいるためで、都市銀行では融資した残高が前の年の同じ月より1.6%減少しています。

一方で、中小企業向けの貸し出しが多い地方銀行では、新型コロナウイルスの影響が長期化する中、融資の残高は運転資金の借り換えなどで前の年の同じ月より2%増加し、高い水準が続いています。

日銀は「新型コロナウイルスの影響による追加的な借り入れの声は全般には徐々に聞かれなくなっているが、コロナの影響の長期化が懸念される飲食、宿泊といった業種での資金需要については、今後も注意深くみていく必要がある」と話しています。