タイ 首相辞任求める大規模な反政府デモ コロナ対策に不満

新型コロナウイルスの対策に失敗したとして政府への不満が広がっているタイで2日、プラユット首相の辞任を求める大規模な反政府デモが行われました。

タイでは変異ウイルス「デルタ株」の感染が拡大して、1日の新たな感染者が1万5000人から2万人ほどの日が続き、1日の死者も200人から300人と高く推移しています。

こうしたなかワクチンの調達の遅れなどで国民の間に不満が高まり、反政府デモが続いています。

デモ隊は2日、首都バンコク中心部の大通りを数百メートルにわたって占拠し「命が奪われ、経済が崩壊したのは、プラユット首相のせいだ」などと非難して、首相が辞任するまでデモを続けると声を上げました。

一部はプラユット首相の自宅に向けて移動し、タイヤを燃やして車の通行を妨害したり、爆竹などを投げつけたりして、警備にあたっている警官隊とにらみ合いを続けました。

参加した男性は「ワクチン不足を招いた原因をはっきりさせず、感染拡大に歯止めもかけられないで、国は落ちぶれるばかりです」と政府の失政を批判していました。

プラユット首相をめぐっては、新型コロナウイルスの対策に失敗したとして不信任案の審議が議会で行われていて、与党側からも賛成票を投じる造反者が出ると取り沙汰されるなど、責任を追及する声が日増しに高まっています。