都内病床 150床増も目標に900床近く届かず 引き続き確保求める

感染の急拡大で都内の医療体制が危機的な状況となるなか、都と国が医医療機関に対し新型コロナウイルスの患者用の病床をさらに確保するよう求めた結果、速報値で150床増えました。

ただ、目標としてきた7000床には届かず、都は引き続き確保を求めることにしています。

感染の急拡大で都内の医療体制が危機的な状況となり、病床がひっ迫するなか、都と国は先月23日、感染症法に基づいて都内すべての医療機関に病床のさらなる確保などの協力要請を初めて行いました。

その結果、都によりますと、およそ9割の医療機関から回答を得て、1日までの速報値で重症患者用の73床を含めて、150床増えたということです。

都内ではこれまで、重症患者用を含めて5967床が確保されていて、今回の要請の結果6117床になりました。

ただ、これまで都は7000床を目標としてきましたが、900床近く届いていません。

都によりますと、まだ回答を寄せていない医療機関もあり、都は重症患者用の病床を中心にさらなる確保を求めることにしています。

人材派遣などの要請に対しては

都によりますと、このほか新型コロナの患者を受け入れていない277の医療機関への要請に対しては、15の施設が回復期の患者の受け入れなどに協力すると回答しました。

また、医療人材を派遣するよう求めた要請に対しては、98の施設が協力すると回答しました。

ただ、感染対策をするための院内のゾーニングが難しいとか、すでにワクチン接種などで人手がとられ、医師や看護師が不足しているという意見もあったということです。

また、医学部のある大学や看護学校などの養成機関からは、人材派遣に19施設、区市町村のワクチン接種に44施設が協力すると回答があったということです。

都医師会 猪口副会長「そう簡単な話ではない」

東京都医師会の猪口正孝副会長は記者団に対し「病床の確保は、部屋だけを確保すればいいわけではなく、そこで感染症を診る人を確保しなければならず、そう簡単な話ではない」と述べました。

そのうえで猪口副会長は「医療機関は相当な努力をしている。自分たちが守らなければいけない医療もあるので、こうやって少しずつ広がってきているところを認めていただきたい。7000床という目標に向けて、一生懸命、頑張っていきたい」と述べました。