ポイント還元で国の対応は違法 1100万円賠償命じる 神戸地裁

おととしの消費税率の引き上げに合わせて行われたキャッシュレス決済のポイント還元制度への参加が開始直前になって認められず損害が出たとして神戸市の生活協同組合が国を訴えた裁判で、神戸地方裁判所は国の対応を違法と判断し1100万円余りの賠償を命じました。

おととし10月の消費税率の引き上げに合わせて導入されたキャッシュレス決済での支払いにポイントが還元される制度について神戸市に本部がある生活協同組合「コープこうべ」は国が事前に公表していた対象となる事業者の要領に基づいて参加を申請していました。

しかし、制度が始まる4日前になって、国から、中小事業者を支援するためのもので、参加は認められないと通知されました。

このため、電子マネーカードの増刷やレジシステムの改修などの準備費用がむだになったとして国に対して裁判を起こし2700万円余りの賠償を求めていました。

31日の判決で、神戸地方裁判所の久保井恵子裁判長は「国は要領を公表した時点では、要件を満たした農協や生協の参加を認める方針だったにもかかわらず、あとになって当初の方針を変更しており、信頼を不当に破壊するものだ」と指摘しました。

そして国の対応を違法だと判断し1100万円余りの賠償を命じました。

コープこうべ「ほっとしています」

判決について「コープこうべ」は「国の責任が正面から認められたと考えています。生協の主張がおおむね認められ、ほっとしています。今後、判決文を精査して対応を検討します」とコメントしています。

一方、経済産業省は「これから判決内容を精査して、対応方針を検討していきたい」とコメントしています。

コープこうべの訴えとは

おととし10月1日、消費税の税率が8%から10%に引き上げられ、これにあわせて国は景気対策として、中小の店舗などでキャッシュレスで決済をすると最大5%分がポイントなどで還元される制度を開始しました。

制度は中小事業者を支援するためのもので、対象となるのは、小売業の場合、資本金5000万円以下か、従業員50人以下の中小企業や個人商店でした。

協同組合については、当初規定がなかったため、国は、対象となる事業者の要領を公表し、課税所得の規模が要件を満たせば、補助の対象とするとしました。

コープこうべは、おととし3月の時点で兵庫県内で141の店舗を展開し売上高はおよそ2440億円と、県内の小売業の中で最も大きい規模です。

裁判で、コープこうべは、公表された要領の要件を満たしており、事業についての説明会などでも確認したうえで、準備を進めてきたと主張していました。

しかし、制度が始まる4日前のおととし9月27日になって、国から「形式的要件を満たしているものの、実質的に大企業と同じような事業規模と考えられ、制度の趣旨に照らして総合的に判断して登録を認めない」という連絡があったということです。

このため、こうした国の判断は恣意的で場当たり的であり、補助金の事業を通じて形成された信頼関係を不当に壊すものだなどと訴えていました。