パラリンピック競泳 鈴木孝幸が金メダル 今大会日本最初の金

東京パラリンピック、競泳男子100メートル自由形の運動機能障害のクラスで、鈴木孝幸選手が金メダルを獲得しました。今大会で日本選手が金メダルを獲得するのは初めてです。

鈴木選手は生まれた時から両足と右手がなく、左手の指にも障害があり、26日は男子100メートル自由形の運動機能障害のクラスに出場しました。

午前中の予選では、鈴木選手は後半、流して泳ぐ余裕を見せて全体2位で決勝に進んだ一方、この種目の世界記録保持者で金メダル候補のイスラエルのアミオメル・ダダオン選手がスタート時の違反で失格となりました。

決勝は序盤から予選をトップで通過した隣のレーンのイタリアの選手を追う展開となり、鈴木選手は0.59秒差の2位で50メートルをターンしました。

後半、鈴木選手は猛烈な追い上げを見せて残り10メートル付近でトップに並ぶと、そのまま一気に追い抜き、パラリンピック新記録となる1分21秒58でフィニッシュし、金メダルを獲得しました。

ゴールした瞬間、鈴木選手は雄たけびを上げて喜びを爆発させていました。

今大会で日本選手が金メダルを獲得するのは初めてで、前回、リオデジャネイロ大会で金メダルなしに終わった日本にとって、2大会ぶりの金メダルとなりました。

鈴木選手は、25日の男子50メートル平泳ぎの銅メダルに続く、今大会2つ目のメダル獲得で、金メダルの獲得は2008年の北京大会以来です。
レースのあと鈴木選手は「きのうからレースが続いていて疲労もあり、心配していたが、自信を持って泳いだ。最後の25メートルではイタリアの選手が前に出ていたが、ペースが落ちてきていたので、自分は落ちないように意識した」と会心のレースを振り返りました。
そのうえで「掲示板で1位を確認した時に喜びが込み上げてきた」と34歳のベテランらしく冷静に喜びをあらわしていました。

銀メダルはイタリアのルイジ・ベッジャート選手、銅メダルはロシアパラリンピック委員会のロマン・ズダノフ選手でした。
鈴木選手を小学校と高校時代に指導した静岡県浜松市のスイミングスクールの代表、伊藤裕子さんは「最後の追い込みの時にはテレビの前で叫んでいました。北京大会から13年目で金メダルをもう一度よくぞ取ってくれました」と喜んでいました。
そのうえで「昔から誰に対しても臆することがなく、何にでもチャレンジする負けず嫌いの子でした。今大会の泳ぎを見ていると努力の結果が体に表れています。このあともいい結果を出してくれると思うので頑張ってほしい」と話していました。