天皇陛下 IPC幹部から表敬訪問受けられる 東京パラ開催を前に

天皇陛下は、東京パラリンピックの開催を前に、皇居・宮殿で、IPC=国際パラリンピック委員会の幹部から表敬訪問を受けられました。

IPCのパーソンズ会長ら幹部10人は、24日午後2時すぎ、皇居・宮殿の「南車寄」に到着しました。

天皇陛下は、宮殿の「春秋の間」で、一人一人とあいさつを交わし、英語でおことばを述べられました。
この中で、天皇陛下は、新型コロナウイルスの感染拡大について触れ、「呼吸機能が弱いアスリートや基礎疾患を抱えるアスリートの方々の重症化のリスクが高くなる可能性など、オリンピックとは異なる難しさがあろうかと思います」などと述べられました。

そのうえで「世界中から集まった障害のあるアスリートの皆さんがさまざまな創意工夫を凝らして限界に挑むパラリンピックは、一人一人の個性のかけがえのなさや尊さに改めて思いをいたす機会となると思います」と話されました。
これに対して、IPCのパーソンズ会長は「パラリンピックは、単に観戦する楽しみにとどまらず、社会を変革する力を持っています」とあいさつし、天皇陛下は、うなずきながら耳を傾けられていました。

天皇陛下は24日夜、国立競技場で行われる東京パラリンピックの開会式で、大会の名誉総裁として開会を宣言されることになっています。

皇室と障害者スポーツの関わり

国内での障害者スポーツの振興には前回、昭和39年の東京パラリンピックをきっかけに皇室も大きく関わってきました。

この大会では皇太子だった上皇さまが名誉総裁を務め、上皇后さまとともに連日のように会場に足を運んで競技を観戦されました。

上皇さまは、当時「このような大会が国内でも毎年行えれば」と述べられ、よくとしの昭和40年から国内で全国身体障害者スポーツ大会、現在の全国障害者スポーツ大会が開催されるようになりました。

天皇陛下は、平成10年の長野パラリンピックで大会の名誉総裁を務め、皇后さまとともに開会式に臨み、開会を宣言されました。

この大会では、上皇さまとともに競技を観戦していた上皇后さまが、選手たちの健闘をたたえる観客によるウエーブが途切れないよう参加される場面もありました。

また、平成30年には天皇陛下が、リオデジャネイロパラリンピックのマラソン女子の目に障害のあるクラスで銀メダルを獲得した、道下美里選手の伴走者として、赤坂御用地内で一緒にジョギングをされています。

天皇陛下は、今回の東京パラリンピックについても即位後初めての記者会見で触れ、「障害を持つ方々にとっても励みになるとともに、障害を持つ方々をめぐる社会の今後の在り方の可能性についても、社会全体でさらに目を向け、理解と協力の輪を広げるよい機会になることを期待しております」と述べられていました。

ただ、今回の大会ではすべての競技が原則、無観客で行われることを踏まえて皇室による観戦もすべて見送られることになりました。