東京パラリンピック 安全な運営 理念の達成 問われる大会に

東京パラリンピックは24日、開幕します。
国内で感染拡大が続く中、障害のため重症化リスクのある選手もいる大会を安全に運営できるかや、すべての会場が原則無観客の状態で、共生社会の実現というパラリンピックの理念をどこまで達成できるかが、問われる大会になります。

1964年の東京大会以降、世界で初めて同じ都市で2回目の開催となる、東京パラリンピックは、新型コロナウイルスの感染拡大による1年の延期を経て、24日午後8時から始まる開会式で開幕します。

大会は13日間にわたって行われ、161の国と地域、それに難民選手団を加えた、史上最多の4400人の選手が参加する予定で、25日から9月5日まで、22競技539種目でメダルを争います。

パラリンピックには、障害や基礎疾患のため感染すると重症化のリスクがある選手も参加することから、選手や関係者の安全を守りながら感染の封じ込めをどこまで徹底できるかが最大の課題です。

また、すべての会場が原則として無観客となり、子どもたちの観戦にも慎重な意見も多い中で、選手たちの姿を通して障害への理解を進め、誰もが暮らしやすい共生社会を実現するという、パラリンピックの理念をどこまで実現できるかが問われることになります。

IPC=国際パラリンピック委員会のパーソンズ会長は「パラリンピックの最大の目標は障害者に対する社会の見方を変えることだ。東京で、日本で、そして世界中で大きな影響を与えると信じている」と話しています。

日本選手団 河合団長「なんとか無事に大会を進めたい」

河合純一選手団長は、開幕にあたってNHKのインタビューに応じ、新型コロナの感染拡大が続く中での開催について「いろいろな声や意見があり、非常に難しい状況だという意見があるのも理解しながら、そういう中でもできないのではなくて、どうすればできるかということを考え、なんとか無事にこの大会を進めたい」と述べました。

賛否が分かれている学校連携での児童・生徒の観戦については「パラリンピックを見ることは、自分自身と社会を見つめ直すレンズを手に入れるもので、視野や視点を変えることで、何か気づけることがある。子どもたちが人間の可能性のヒントなどを自身で見つけた場面は、かけがえのない思い出になり、将来、共生社会をつくるために必ず役に立つ。一生に一度しかない機会に、リスクを軽減させて、自治体や子ども、保護者、学校の先生にも理解を得て、なんとか実現していきたい」と話していました。

日本選手団の目標として金メダル20個という目標を掲げていることについて「この5年間積み上げてきたものを出しきる、本当にすべてを振り絞って出しきったんだと言える状態をつくりたい。その先が勝利やメダルにつながっていくと思うので、後悔なく選手たちが全力でプレーできるようサポートしていきたい」と話しました。