コロナで自宅療養中の妊婦 救急搬送が必要な目安 学会まとめる

新型コロナウイルスに感染する妊婦が相次いでいることから、産婦人科の学会などは自宅などで療養中の妊婦が適切に医療機関にかかれるよう、救急搬送が必要な呼吸状態などの具体的な目安をウェブページで公表しました。

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、妊婦の感染が相次いでいて、千葉県では自宅療養中の妊婦が、入院先が見つからずに自宅で出産し、赤ちゃんが亡くなるケースも起きています。

これを受けて日本産科婦人科学会と日本産婦人科医会は、妊婦が注意すべき症状や救急搬送が必要な症状などの具体的な目安を取りまとめ、それぞれのウェブページで公表しました。

この中では、自宅などで療養中の妊婦に対し、
▽1時間に2回以上の息苦しさを感じる時や
▽トイレに行くときなどに息苦しさを感じるようになった時、
▽心拍数が1分間に110回以上、または呼吸数が1分間に20回以上となった時、
そして
▽安静にしていても血液中の酸素の値が1時間以内に93%から94%の間から回復しない時は、
かかりつけの産婦人科の医師か保健所に連絡するとしました。
さらに、
▽息苦しくなり、短い文章を話すこともできなくなったり、
▽血液中の酸素の値が92%以下になったりした時は、
すぐに救急車を要請するよう求めています。

また、行政機関に対しては、こうした症状がみられた妊婦に対しては救急車を要請する場合ではなくても、早めに出産が可能な医療機関への入院を促すよう求めるとともに自宅などで療養となった妊婦が毎日、血液中の酸素の値を測定できる環境作りなどを求めています。