新型コロナ 台湾の製薬会社開発のワクチン 現地で接種開始

台湾当局は、台湾の製薬会社が開発した新型コロナウイルスワクチンの接種を開始し、蔡英文総統が率先して接種を受けて安全性と有効性をアピールしました。

このワクチンは台湾の製薬会社「メディジェン・ワクチン・バイオロジクス」が開発した「組み換えたんぱくワクチン」というタイプのものです。

台湾当局が先月、20歳以上の人を対象とした緊急使用を許可し23日、接種を始めました。

最終段階の臨床試験前までのデータをもとに緊急使用が許可されたため、野党などから疑問や批判の声が出ていますが、蔡英文総統が率先して接種を受けて、その様子をSNSのライブ配信で公開し、安全性と有効性をアピールしました。

台湾では先週末までにワクチンを1回打った人はおよそ40%、2回打った人はおよそ3%にとどまっていて、当局は海外からワクチンの調達を急ぐとともに、台湾製ワクチンの投入によって接種を加速したい考えです。

一方、台湾では今のところ感染力が強い変異ウイルス「デルタ株」は広がっておらず、海外から来た人などを除く域内での新規感染者数は今月に入ってから1桁に収まる日が多くなっています。

このため台湾当局は24日以降、1か所に集まることができる人数の上限を、屋内では現在の50人から80人に、屋外では現在の100人から300人に、それぞれ緩和することにしています。