自宅療養中の早産で赤ちゃん死亡 “受け入れ体制強化を” 千葉

千葉県柏市で新型コロナウイルスに感染し自宅で療養していた妊婦が入院先が見つからずに自宅で出産して赤ちゃんが亡くなったことを受けて、千葉県は県内の医療機関に対して感染した妊婦の受け入れ体制を強化するよう呼びかけました。

柏市では今月17日、自宅で療養していた妊娠8か月の女性について県の調整本部などが入院先を探したものの見つからず、自宅で早産となって赤ちゃんが亡くなりました。

千葉県は20日、会見を開いて改めて経緯を説明し、当日、同時にほかにも妊娠後期の妊婦2人について広域での受け入れ先を探す調整を進めていて業務がひっ迫していた状況を明らかにしました。

このうち受け入れ先が見つかったのは1人だけで、柏市の妊婦については早産の可能性があったためより調整が難航したとしています。

県の担当者は「妊婦だからといって入院できるわけではなく、調整は日々、ギリギリの状態だ」と厳しい現状認識を示しました。

そのうえで
▽感染した妊婦への対応を中心的に担っている周産期母子医療センターにさらに受け入れ体制を強化するよう依頼し
▽地域の産科医に対しては、かかりつけの妊婦が感染した際には受け入れ先が見つかるまでみずからで対応することも想定して準備するよう協力を呼びかける通知を19日に出したことを明らかにしました。

県内では千葉大学病院がすでに妊婦の専用病床を1床確保し、来週にもさらに病床を拡大する方針を決めました。

千葉県は今後も再発防止に向けた対策を検討する方針です。

千葉 熊谷知事 国に財政支援の拡充求める

20日に開かれた全国知事会のテレビ会議で千葉県の熊谷知事は、柏市で新型コロナウイルスに感染し自宅で療養していた妊婦が入院先が見つからずに自宅で出産し赤ちゃんが亡くなったことについて「今回の事案は、感染した妊婦が早産になった場合、受け入れてもらえる医療機関は極めて限られているという現実の中で起きた」と説明しました。

そのうえで「地域の周産期医療センターだけでなく診療所も含めてコロナに対応できる受け入れ体制の整備が急務だ」と述べ、国に対してさらなる財政支援の拡充を求めました。