東京都 重症病床確保へ 宿泊療養施設の一部で回復患者受け入れ

東京都は、新型コロナウイルスの重症患者用の病床を確保してより症状の重い人が入院できるようにするため、品川区にある宿泊療養施設の一部で重症から回復して中等症や軽症となった患者を受け入れることになりました。

これは19日、小池知事が都議会で明らかにしました。

都内では、感染の急激な拡大で入院患者が増加し、重症患者用の病床の使用率はおよそ7割に上っています。

こうした中、都は、日本財団から無償で借り受けている品川区の宿泊療養施設の一部で重症から回復して中等症や軽症となった患者を受け入れることを決めました。重症患者用の病床を確保してより症状の重い人が入院できるようにするのがねらいです。

都によりますと、この施設は現在、軽症か無症状の人がペットと一緒に療養できる運用になっていますが、施設の一部に酸素吸入を行う「酸素濃縮装置」を導入するほか、看護師を配置して対応するということです。

小池知事は「必要な施設の整備を早急に進め、受け入れ態勢を強化していく」と述べました。

一方、小池知事は、今月中に渋谷駅近くに設ける、事前予約なしでワクチン接種が可能な若者専用の会場について、「渋谷区立勤労福祉会館」とすることを明らかにしました。

“大規模接種会場分の約3分の2を区市町村に配分”

一方、19日の都議会で、東京都福祉保健局の吉村憲彦局長は、区市町村でのワクチン接種を進めるため、都の大規模接種会場分として確保している800箱=93万6000回分について、このうちのおよそ3分の2を区市町村に配分することを明らかにしました。

また、吉村局長は、ファイザーやモデルナのワクチンにアレルギーがある人や、40歳以上で希望する人などを対象に、来月1日からアストラゼネカのワクチン接種を都庁の北展望室で開始すると説明しました。