菅首相 テレワークで出勤者7割削減へ 経済団体に協力要請

新型コロナウイルス対策をめぐり、菅総理大臣は、経済同友会の櫻田代表幹事、日本商工会議所の三村会頭と相次いで会談し、人の流れを抑制して、職場でのクラスターの発生を防ぐため、テレワークなどによる出勤者の7割削減の達成に向けて協力を要請しました。

緊急事態宣言の対象地域の拡大と期限の延長などを受けて、菅総理大臣は、18日の経団連の十倉会長に続き、19日午前、経済同友会の櫻田代表幹事と会談しました。

この中で、菅総理大臣は「感染力が極めて強い『デルタ株』によって、感染者数が急激に増加している。医療体制の構築、感染防止、ワクチン接種を3本の柱にして、感染を収束にもっていきたい」と述べました。

そのうえで「人流を抑制し、企業の職場でも発生しているクラスターを防ぐためには、テレワークが極めて重要だ。ぜひテレワークなどによる出勤者の7割減の達成に向けてご協力をいただきたい」と述べ、協力を要請しました。
これに対し、櫻田代表幹事は「7割削減を実行できた当時と比べると、何となく出社する管理職やトップが増えてきていると感じる。『どうして会社に来るのか』といったときに『会社があるから』だと、まずい。『コロナが終わってもテレワークは新しい働き方のために必須なんだ』ということを、ぜひ発信していただきたい」と述べました。
このあと菅総理大臣は、日本商工会議所の三村会頭とも会談し、同様の要請を行ったのに対し、三村会頭は「中小企業がテレワークを実施する際、いろいろな制約があり、例えば、建設業やサービス業はなかなか該当しない。パソコンなどのネットワークの整備が進んでないところもあり、いい事例などを周知し、政府の支援措置なども積極的にPRしたい」と述べました。

経済同友会 櫻田代表幹事「国民全員で必要性理解すること重要」

菅総理大臣との会談のあと、経済同友会の櫻田代表幹事は記者団に対し、出勤者の7割削減を求められたことについて「去年の緊急事態宣言の時はできていたので、今回もできるはずなのでたがを締めないといけない。一方で、工場や営業などの現場では50%しか出勤者を削減できない状況にある。これは、顧客からの不要不急の依頼に応えているケースがあるためでテレワークを実現させるためには、国民全員でその必要性を理解することが重要だ」と述べました。

日本商工会議所 三村会頭 「中小企業 テレワーク難しさある」

菅総理大臣との会談で出勤者の7割削減の達成に向け協力を求められたことについて、日本商工会議所の三村会頭は記者団に対し、「中小企業では、業種によっては実際に現場に行く必要があることなど、独特のテレワークの難しさがある。人との接触を減らすことが目標なので、時差出勤や休暇の取得、オンライン会議など、合わせ技で取り組みを進めていく」と述べました。

また、三村会頭は、「単に自粛ではなく、ありとあらゆる手段を通じて、なんとか非常に困っている中小企業の経済活動再開を早くやってもらえないだろうかとせつにお願いした」と述べ厳しい状況が続く中小企業向けの対策の一層の拡充を要望しました。