わずかな火でも…自宅療養者 酸素吸入装置使用時の火災に注意

新型コロナウイルスの自宅療養者が急増し、在宅で酸素を吸入するための装置を使うケースが多くなっていますが、たばこなどの火が近くにあると燃え移って火災が起きるおそれがあるとして、消防や業界団体が注意を呼びかけています。

新型コロナウイルスに感染してもすぐに入院できず自宅で療養する人が急増していますが、その際に、口や鼻から酸素を吸入するための装置「酸素濃縮装置」を使うことが多くなっています。

酸素は燃焼を助ける性質があるため、たばこなどの火が燃え移りやすく装置を使用中に火災が起きるケースがこれまでも相次いでいます。

医療機器などのメーカーで作る業界団体によりますと、こうした装置を使っていて火災が発生し亡くなった人は、2003年以降で85人にのぼっているということです。

たばこやライターから引火することがが多く、近くにストーブなどがある場合も危険だということです。

国などは、装置の2メートル以内に火気を近づけないよう十分に注意し、医師の指示に従って正しい方法で使うよう呼びかけています。

東京消防庁調査課の山崎武見消防司令補は「酸素の吸入中に近くにわずかでも火気があると顔の近くで燃え広がるおそれがあり大変危険だ。周りにいる人も含めて十分に注意してほしい」と話しています。

消防「わずかな火でも大変危険」

医療機器メーカーなどで作る業界団体「日本産業・医療ガス協会」によりますと、自宅で「酸素濃縮装置」などを使用していて火災が起きるケースは全国であとを絶たず、2003年以降で85人が亡くなっています。

装置を使っている時にたばこを吸おうとしてライターを顔に近づけて引火したり、台所で調理をしようとして火災になったりするケースが確認されているということです。

「酸素濃縮装置」は周辺の空気を取り込んで酸素を濃縮し患者が鼻や口から吸うため顔付近の酸素濃度が高くなり、わずかな火でも燃え広がるおそれがあるとして国などが注意を呼びかけています。

東京消防庁調査課の山崎武見消防司令補は「装置を使用中はわずかでも火気があると顔の近くで燃え広がるおそれがあり大変危険だ。周りにいる人も含めて十分に注意してほしい」と話していました。