厚労省 ラムダ株への感染 濃厚接触者の調査リスト送付せず

先月、ペルーから羽田空港に到着し南米で報告されている変異ウイルスの「ラムダ株」への感染が確認された女性について、厚生労働省が、濃厚接触者の調査に必要なリストを自治体に送っていなかったことが分かりました。

女性はオリンピック関係者でしたが、大会組織委員会にも送付していなかったということです。

厚生労働省は、空港の検疫所の検査で新型コロナウイルスへの感染が確認された場合、航空機の座席表をもとに、濃厚接触した可能性がある人たちのリストを、調査を行う自治体に送っています。

厚生労働省によりますと、先月20日にペルーから羽田空港に到着し、その後国内で初めて「ラムダ株」への感染が確認された女性については、リストを送っていなかったということです。

女性はオリンピック関係者でしたが、大会組織委員会などにも送付していませんでした。

また、翌21日にフィリピンから入国し、新型コロナウイルスの検査で陽性となった人についても、自治体にリストを送っていなかったということです。

リストに記載された人たちは、全員が入国後14日間、自宅などで待機し、陽性者はいなかったとしています。

厚生労働省は「担当者が業務に追われてリストを送るのを忘れてしまっていた」と説明していて、リストが送付されたか、二重に点検する体制を整えるとしています。

「ラムダ株 国内で感染拡大のリスク低い」国立感染症研究所

国立感染症研究所は、従来より感染力が高かったり、ワクチンの効果を弱めたりと、性質が変化した可能性がある変異ウイルスを「懸念される変異株=VOC」に、同様の影響を与える可能性が示唆される変異ウイルスを「注目すべき変異株=VOI」に分類して監視を強化していますが、ラムダ株はどちらにも位置づけていません。

脇田隆字所長は、ラムダ株について「世界的には減少傾向にある」としたうえで「デルタ株を超える感染力があるとは考えておらず、日本に持ち込まれるリスクは限定的で、現時点で国内で感染が拡大するリスクは低い」としています。