中等症患者受け入れ 都内病院 高齢患者再び増加で危機感強める

新型コロナウイルスの感染が急拡大する中、中等症の患者を受け入れている都内の病院では一時少なくなっていた高齢の患者が再び増えていて危機感を強めています。

東京 杉並区の「河北総合病院」は、新型コロナウイルスの患者に対応する基幹病院の1つで、本院と分院で中等症までの患者を受け入れています。

この病院では新型コロナ患者用に43床を確保していますが、一時、数人程度まで減っていた60代以上の患者が再び増加し、今は全体の3分の1を占めています。

病床は常に満床で、救急搬送の要請を断らざるをえない状況が続いているため、一般病棟の1つのフロア38床をコロナ病床に変えて12床増やす予定だということです。

ただ、看護師など医療スタッフの編成をし直す必要があるほか、一般の入院患者を制限したりほかの診療を断ったりするなどの影響が出てしまうということです。

河北総合病院の杉村洋一院長は「2週間ほど前は20代、30代が中心だったが最近はまた年齢が上がり、60代以上も15人くらい入院している。全体的に患者が増えていて、高齢者は重症化しやすいので入院要請が割合的に増えているのではないか」と話していました。

また「今は一般の入院患者を制限しつつ、コロナの患者さんを受け入れるしかない状況だ。12床増やすといっても、それがどれぐらい役に立つのかといったらほんとにもう微々たるものと思うので、国全体で考えていかなければいけない。新型コロナが始まって今がいちばん大変な状況だ。もうしばらく一人一人が注意しないといけない」と話していました。