コロナ 救急車内で4時間搬送先見つからず 自宅療養余儀なく

今月、新型コロナウイルスに感染し「中等症」と診断された千葉県の47歳の男性は、救急車の中で4時間搬送先の病院が見つからず、さらに丸一日、自宅での療養を余儀なくされたといいます。

この男性はNHKの取材に「もう無理かもしれないと思いました。さらに自宅療養が続いたら危なかったと思うので、中等症での自宅療養は耐えられないと思います」と当時の心境を語りました。

「中等症」相当で搬送先探すも

千葉県内に住む47歳の男性は、7日、新型コロナウイルスの検査で陽性が判明したあと自宅で療養していましたが、熱が39度台まで上がり呼吸が苦しくなったうえ、意識ももうろうとしてきたため、消防に通報しました。

救急車の中で、血中の酸素飽和度が90%とわかり「中等症」に相当するとして搬送先を探してもらいましたが、4時間にわたって受け入れられる病院が見つかりませんでした。

再び自宅療養に 医師は涙

病院が見つからなかったため、自宅に戻り、医師から点滴や酸素吸入器をつけてもらったうえで、丸一日、自宅での療養を余儀なくされました。

このとき、点滴などの処方をした医師は「私にできることはここまで」と言って涙を流していたということで、このとき、男性は事の重大さを感じたと言います。

その後、入院ができる病院が見つかり、自力での呼吸が難しく、高度な医療を行える施設への入院が検討される「中等症2」と診断されました。

現在は鼻から酸素を吸入することで話ができるほどに回復したということです。

「自宅療養続いていたら 本当に危なかった」

男性は救急車を呼んだときの状況について「あれ以上待っていたら、息ができずに救急車を呼べなかったと思います。自分の中では重症の感覚で、今思えば怖かったです」と話していました。

また、搬送先が見つからなかった時の心境については「『千葉県内で搬送できる病院はゼロです。同じ中等症で300人が入院できずに自宅待機しています』と言われてがく然とし、もう無理かもしれないと思いました。私の中ではインフルエンザとは比べ物にならないほどつらい症状が変わらず続き、わからないことだらけで不安なままでした」と話していました。

そのうえで「わたしは運よく丸一日で入院できましたが、あと1日、自宅療養が続いていたら、本当に危なかったと思います。まとまった場所でもいいので、搬送してもらって医師の治療を受けないと、中等症で自宅療養というのは耐えられないと思います」と話していました。