「パルスオキシメーター」自治体で整備拡充 自宅療養者増加で

新型コロナウイルスに感染し自宅で療養する人が増える中、自治体では血液中の酸素飽和度を測る「パルスオキシメーター」の備えを拡充する動きが相次いでいます。

「パルスオキシメーター」は指先に装着し、体内に酸素をどの程度取り込めているかを示す酸素飽和度を測る医療機器で、自宅などで療養している人の症状の変化を捉えるために自治体などが整備を進めています。

このうち東京 千代田区では、自宅療養者が先週末の時点でその前の週のおよそ2倍の120人余りに急増しています。

「パルスオキシメーター」を200台確保して貸し出していますが、先週新たに200台を注文したということです。

千代田保健所の原田美江子所長は「自宅療養者の急増でパルスオキシメーターが到底足りなくなることが予測できたほか、回復した人からの返却が遅れていることもあり、追加で注文した。自分で購入する人もいるが、自治体のほうで十分確保できているので、できれば医師や保健所の指導を受けたうえで使用してほしい」と話しています。

一方、パルスオキシメーターを製造している東京 千代田区の大手メーカーによりますと、先週以降、首都圏を中心とした全国の自治体や医師会から問い合わせが殺到し、中には数万台単位の発注もあったということです。

メーカーの担当者は「先月は自治体からの問い合わせはゼロだったが、先週から一気に寄せられている。『緊急で納品してほしい』という要望もあり、切迫している状況だ。ことし6月以降、生産台数をおよそ20倍に引き上げて対応してきたが、感染拡大の先行きが見通せない中、供給を切らさないように努めたい」と話しています。

ドラッグストアでは問い合わせ相次ぐ

「パルスオキシメーター」を扱うドラッグストアでは基礎疾患がある人などからの問い合わせが増えています。

このうち、東京 立川市のドラッグストアでは今月に入って1日に10件近く問い合わせが寄せられる日もあるということです。

運営会社によりますと、全国にある系列の店舗の販売数は今月5日までの1週間で前の週に比べて3倍に増えているということです。

自宅療養者が急増していることから、感染すると重症化のおそれがある基礎疾患がある人や高齢者が購入を検討するケースが増えたとみています。

ドラッグストアの運営会社の調剤エリアマネジャー、清水聡太郎さんは「パルスオキシメーターは医療従事者の指導や助言のもと正しく使うことが大切で、店舗でも資格を持った者がしっかりご説明したうえで販売しています。基礎疾患がある方など必要性が高い人の不安に対応していきたい」と話していました。