自宅療養で重症化 都内の患者 “120の医療機関 受け入れず”

新型コロナウイルスの感染が急拡大する中、都内の自宅で療養していた50代の患者が重症化して救急搬送された際、およそ120の医療機関に受け入れを断られていたことがわかりました。

新型コロナに感染して自宅で療養している人は、9日時点で都内で1万7356人に上り、1か月前の11.4倍と急増しています。

都内に住む50代の男性は、8月上旬に発熱の症状が出て陽性と判明したあと自宅で療養していました。

しかし2日後には、呼吸の状態が悪くなるなど重症化し、救急搬送されましたが、およそ120の医療機関に受け入れを断られたということです。

そして搬送開始から5時間余りたって東京・文京区の日本医科大学付属病院で受け入れが決まり、入院しました。

この病院は緊急性の高い重症患者に対応する3次救急の指定病院ですが満床の状態が続いていて、消防やほかの病院から次々と要請が入っても断らざるを得ないケースが相次いでいるということです。

日本医科大学付属病院高度救命救急センターの横堀將司センター長は、「すぐに重症病床が埋まってしまう状況で、こんなに収容の依頼が多く来るというのは今までに経験がない。助かる命が助からなくなってくるという可能性を考えなくてはいけない。感染者数を減らさない限りこの状況は続く」と話していました。