東京オリンピック閉会式 17日間の大会に幕【詳細】

新型コロナウイルスの影響で、1年の延期を経て開催された東京オリンピックは、午後8時からメインスタジアムの国立競技場で、無観客で閉会式が行われ、17日間にわたる大会が幕を下ろしました。

《閉会式 詳細》

午後8時

東京オリンピックの閉会式が午後8時すぎから始まりました。式では選手たちの健闘をたたえるショーや次の開催都市、フランスのパリへオリンピックの旗を引き継ぐセレモニーが行われたあと、聖火が消されます。会場ではまず、大会を振り返る映像が流されました。

午後8時2分

白を基調とした130発の花火が打ち上げられました。大会に関わったすべての人への「感謝」とその先の未来への「祝福」の思いが込められています。

午後8時3分

秋篠宮さまがIOC=国際オリンピック委員会のバッハ会長の案内で入場されました。

午後8時4分

日本の国旗が柔道男子で金メダルを獲得した高藤直寿選手や競泳女子で2つの金メダルを獲得した大橋悠依選手など6人によって会場に運び入れられました。

午後8時8分

日本の国旗が掲揚され、宝塚歌劇団の人たちが着物にはかま姿で国歌を歌いました。

午後8時10分

それぞれの国や地域などの旗手が入場しました。先頭はギリシャと日本で、日本の旗手は空手男子の形で金メダルを獲得した喜友名諒選手が務めました。

午後8時12分

旗手の入場で流れた曲は1964年の東京オリンピックの開会式で流れた「オリンピック・マーチ」です。福島県出身で日本を代表する作曲家、古関裕而さんが作曲しました。

午後8時21分

旗手の入場に続いて、参加した国や地域の選手などが入場を始めました。選手たちはそれぞれの国の小旗を振ったりスマートフォンなどを手に撮影したりしながら入場しました。中には会場の暑さからか「扇子」をあおぎながら入場してくる選手の姿もありました。

午後8時30分

アメリカの選手たちが入場しました。今大会で金メダル39個を含む合わせて113個のメダルを獲得し、すべての国と地域などの中でトップでした。中でも競泳では金メダル11個を含む合わせて30個のメダルを獲得しました。ケイレブ・ドレセル選手は男子100メートルバタフライでの世界新記録をはじめ、5個の金メダルを獲得しています。

午後8時28分

ロシアの選手たちは組織的なドーピング問題で国の代表としての出場できず、ROC=ロシアオリンピック委員会として出場し、閉会式に参加しました。

イタリアの選手たちの姿

イタリアの選手たちの姿が見られました。陸上で5個の金メダルを獲得しました。男子100メートルではラモント マルセル・ジェイコブズ選手がこの種目でイタリア勢として初めてとなる金メダルを獲得しました。男子20キロ競歩ではマッシモ・スタノ選手が日本の選手2人と競り合い、終盤抜け出して金メダルを獲得しました。

午後8時36分

日本の選手たちの入場が始まりました。

午後8時37分

スポーツクライミング、女子複合で銀メダルの野中生萌選手と銅メダルの野口啓代選手が姿を見せました。東京大会を最後に引退を表明していた野口選手は野中選手に対し「私が引退しても十分任せられる」と期待を寄せています。

午後8時37分

野球の田中将大投手の姿も見えました。入場前の取材に「僕自身は思うようなパフォーマンスを出せなかったが、チームの一員として金メダルを獲得できて、とてもうれしい」と話していました。

午後8時39分

イギリスは今大会で日本に続く金メダル22個を獲得しました。そのひとり、男子シンクロ高飛び込みで金メダルを獲得したトーマス・デーリー選手は性的マイノリティーと公表して出場した選手のひとりです。東京オリンピックは多様性をテーマに掲げていて性的マイノリティーを公表して出場した選手が160人余りと過去最多になりました。

午後8時41分ごろ

卓球女子団体で銀メダルを獲得した石川佳純選手、伊藤美誠選手、平野美宇選手の3人は一緒に写真を撮ってリラックスした様子でした。

午後8時44分

205の国と地域、そして難民選手団の選手などの入場が終わりました。

午後8時45分

芝生が広がるスタジアムを東京の公園に見立てたショーが始まりました。新型コロナウイルスの感染防止対策で観光などができなかった選手たちに向けて、東京のふだんの姿を感じてほしいという思いが込められています。

午後8時46分ごろ

公園に見立てた会場ではけん玉や、なわとびなどさまざまなパフォーマンスが繰り広げられてました。

午後8時48分ごろ

坂本九さんの「上を向いて歩こう」が流れてきました。1964年、東京パラリンピックの開会式の入場に使われた曲です。

午後8時52分

大ヒットしたアニメ、「鬼滅の刃」のオープニングテーマ「紅蓮華」が流れてきました。演奏は国内外で人気の「東京スカパラダイスオーケストラ」。映像を通じて都立片倉高校の吹奏楽部との共演しています。

閉会式 各国や地域の選手団から約4500人

東京オリンピックの閉会式の参加人数について、大会組織委員会は、各国や地域の選手団からおよそ4500人、IOC=国際オリンピック委員会や来賓など大会関係者がおよそ850人、メディア関係者がおよそ4000人だと発表しました。JOC=日本オリンピック委員会によりますと、このうち日本の選手団からの参加人数は、選手と役員で95人だということです。

午後9時2分

7日に行われた女子マラソン表彰式が行われました。金メダルは2時間27分20秒でケニアのペレス・ジェプチルチル選手。銀メダルは世界記録保持者のケニアのブリジット・コスゲイ選手。銅メダルはアメリカのモリー・サイデル選手です。日本の一山麻緒選手は8位に入賞しました。

午後9時7分

8日に行われた男子マラソンの表彰式が行われました。金メダルは、世界記録保持者でケニアのエリウド・キプチョゲ選手で大会連覇を果たしました。銀メダルはオランダのアブディ・ナギーエ選手。銅メダルはベルギーのバシル・アブディ選手でした。今大会かぎりで引退の意向を明らかにしている大迫傑選手は6位に入賞しました。

午後9時16分

IOC=国際オリンピック委員会のアスリート委員に今回、新たに選出された太田雄貴さんたちが紹介されました。太田さんは北京オリンピックのフェンシングの銀メダリスト、日本人として初めての選出です。

午後9時20分

和太鼓の演奏が始まりました。演奏しているのは1998年にフランスで行われたサッカーワールドカップの閉会式でも演奏した佐藤健作さんです。

午後9時22分

長野県出身のダンサー、アオイヤマダさんが踊りを披露しました。この世を去った人に思いをはせる追悼の時間です。

午後9時30分

日本全国各地に伝わる踊りが紹介されています。アイヌの古式舞踊や沖縄のエイサーなどがスクリーンで紹介されたほか、会場では東京音頭に合わせて盆踊りが始まりました。

午後9時35分

今回のオリンピックの開催都市、東京から、次の2024年の開催都市、フランス・パリへ旗を引き継ぐセレモニーが始まりました。

午後9時38分

オリンピック賛歌に合わせてオリンピックの旗が降ろされました。

午後9時40分

次の開催都市にオリンピックの旗を引き継ぐ「フラッグハンドオーバーセレモニー」が行われました。東京都の小池百合子知事からIOCのバッハ会長を経て、パリ市のイダルゴ市長に旗が引き継がれました。

午後9時42分

国歌「ラ・マルセイエーズ」が流れる中、フランス国旗が掲揚されました。

午後9時46分

次の開催地となるパリの町並みが自転車競技、BMXの選手が町をめぐる形の映像で町並みが紹介されました。

午後9時50分

パリからのライブ映像にフランスのマクロン大統領が登場し、「より速く、より高く、より強く、ともに」とあいさつしました。

午後9時50分

パリのライブ映像が流れました。エッフェル塔の周囲をフランス空軍の航空機がアクロバット飛行を披露しました。

午後9時59分終了

大会組織委員会の橋本聖子会長がスピーチを行いました。
橋本会長は「大会はコロナ禍の厳しい状況の中での開催となりました。医療従事者の皆様をはじめ、この大会に携わり、支え、尽力していただいたすべての皆様、大会を受け入れていただいた日本の皆様に心から感謝申し上げます」とあいさつしました。
そして、出場した選手たちに対して「勝者の歓喜の横に、敗者の無念がありました。この両者は、一瞬のうちに再び融合し、互いを認め合う。この瞬間こそが、オリンピックが作り上げる美しい光景であり、オリンピックの持つ価値です。どうかこの景色を忘れないでください。そして、自分がやり遂げたということに自信と誇りを持って、未来に語り続けてください」と話しました。
そのうえで「東京にともった聖火は、今、静かに消えようとしています。しかし、ここに集った希望は決して消えることはありません。この希望が世界中の人々の心にともることを願います」と話していました。

午後10時8分終了

IOCのバッハ会長がスピーチを行いました。
バッハ会長は「パンデミックが始まって以来、初めて全世界が1つになった。スポーツが再び舞台の中心になった。世界中の何十億もの人々が歓喜の瞬間を共有した。これは私たちに希望を与え、私たちに未来への自信を与える。東京2020オリンピックは、希望、連帯、そして平和のオリンピックだ」と話しました。

(あいさつ全文は文末部分に)

午後10時9分

会場に俳優の大竹しのぶさんが登場し、子どもたちに岩手県出身の宮沢賢治さんが作詞作曲した「星めぐりの歌」を教えました。歌には、次の世代にこの大会の経験が受け継がれ、未来が明るいものになってほしいという願いが込められています。

午後10時13分

会場で流れる曲がフランスのドビュッシーが作曲し、電子音楽の第一人者として世界的に活躍した作曲家の冨田勲さんが編曲した「月の光」に変わりました。聖火台にともされている聖火が次第に消えていきます。

午後10時15分

会場の聖火台にともされていた東京オリンピックの聖火が完全に消えました。

午後10時16分

会場のスクリーンに今月24日から13日間の日程で行われる東京パラリンピックの予告映像が流されました。オリンピックの閉会式でパラリンピックについて触れられるのは、これまでの大会で初めてだということです。

午後10時17分

会場では虹色の輪で世界のつながりを表現する合計1000発余りの花火が打ち上げられました。また、スクリーンに「ARIGATO」の文字が映し出されました。この文字は、1964年の東京オリンピックの閉会式で映し出された「SAYONARA」と同じフォントだということです。新型コロナウイルスの影響で延期になったオリンピックを開催することができたことへの感謝の気持ちが込められています。

午後10時20分ごろ

東京オリンピックの閉会式が2時間20分ほどで終わりました。

バッハ会長 あいさつ全文

(英語で話し始める)。皇嗣殿下。世界中の親愛なるオリンピック関係者の皆様、(ここから日本語)。東京の皆様、そして日本の皆様。(ここから英語に戻る)。親愛なるアスリートの皆様。この16日間、皆様がそれぞれのスポーツで成し遂げたことは、私たちを驚かせました。皆様の卓越さ、歓喜、涙で、このオリンピック競技大会の魔法は創り上げられました。私たちがともに力を合わせ、連帯した結果、皆様はより速く、より高く、そしてより強くありました。皆様はオリンピックの栄光を目指して、互いに激しく競いました。同時に、皆様は選手村の一つ屋根の下で、ともに平和な生活をおくりました。これは連帯と平和の強力なメッセージです。皆様は、スポーツの結束する力で、私たちをインスパイアしました。これは、パンデミックにより直面した多くの困難を踏まえればさらに顕著なことでした。私たちが生きているこの困難な時代に、皆様は世界に最も貴重なギフト、希望を与えています。パンデミックが始まって以来初めて、全世界が一つになりました。スポーツは表舞台に戻りました。世界中の何十億もの人々が感情でつながり、歓喜とインスピレーションの瞬間をともにしました。これは私たちに希望を与えます。これは私たちに未来への自信を与えます。東京2020オリンピック競技大会は、希望、連帯、そして平和のオリンピックです。世界の最高のアスリートである皆様が、オリンピックの夢を実現させることができたのは、日本が皆様に輝ける舞台を準備したからです。日本の皆様、皆様が成し遂げられたことを、ぜひ誇りにしていただければと思います。すべてのアスリートを代表して、お伝えします。ありがとう、東京。ありがとう、日本。すべてのボランティアの皆様に深く感謝いたします。皆様の笑顔は、私たちをあたたかい気持ちにしてくれました。(ここから日本語)。すべてのボランティアの皆様、まことにありがとうございました。(ここから英語に戻る)そうです、前例のないオリンピック競技大会でした。私たち、IOC、そして日本のパートナーや関係者の皆様は、今大会を実現するために一様に前例のない努力をしました。特に、菅義偉内閣総理大臣、小池百合子東京都知事など、日本の関係機関の、不動のコミットメントに感謝いたします。オリンピックを切望していた選手たちの側に寄り添っていただきありがとうございます。組織委員会の皆様にも深く感謝いたします。誰もこれまでに延期されたオリンピックを運営したことがありません。親愛なるオリンピアン、橋本聖子会長、本当にありがとうございました。そして、組織委員会の皆様の献身と、すばらしいパートナーシップと友情に感謝申し上げます。同じことが、オリンピック関係者が示した連帯にも当てはまります。すべての各国・地域オリンピック委員会、国際競技団体、TOPパートナー、スポンサー、そして放送権者の結束とサポートに心より感謝申し上げます。私たちは、アスリートのために、まるでアスリートのように、これを成し遂げました。ともに成し遂げました。そして今、私は、史上最も困難だった、東京大会へのオリンピックジャーニーに終わりを告げなければなりません。第32回近代オリンピアードの東京2020オリンピック競技大会の閉会を宣言します。伝統に従って、私は世界の若者に、3年後にフランスのパリに集い、第33回近代オリンピアードのパリ2024オリンピック競技大会をともにお祝いすることを呼びかけます。パリでお会いしましょう。

組織委「無事に終わりほっとしている」

閉会式後の記者会見で、式典の統括をつとめた大会組織委員会の日置貴之エグゼクティブプロデューサーは「いろいろなことがあった1か月だったが、無事に事故もなく閉会式を迎えられてうれしい。大きな船が目的地までたどり着けたのは、スタッフ全員のいいものを作ろうという思いの結晶だ。無事に終わりほっとしている」と話しました。
また、閉会式中に選手やスタッフなどが集まったり、マスクを外したりする姿が見られたことについては「映像上はそうしたシーンが見られたかもしれないが、われわれとしては事前に行動や注意点について周知徹底をしていたし、式典中はスタッフの誘導などで密の回避はさせてもらったと理解している」と説明しました。

一方、振り付け担当でダンサーの平原慎太郎氏は「選手に慰労を込めてどう楽しんでもらうかというところを作らせてもらった。具体的にはカオスを作ってそれを秩序化させていくプロセスをみんなで楽しもうとした。オーケストラはいくつもある楽器が1つの音楽になる、そういう風になることを目指して作った」と演出の意図を明かしました。