帰省ラッシュ 各地で例年の混雑は見られず

いつもの年ならお盆休みの帰省ラッシュが本格化しますが、新型コロナウイルスの影響で例年のような混雑は見られませんでした。

JR東京駅の東北新幹線や北陸新幹線が発着するホームでは、午前中、キャリーケースやお土産を手にした親子連れなどが並ぶ様子が見られましたが、大きな混雑はありませんでした。

家族とともに群馬県の祖父母の家に帰省するという35歳の女性は「帰省先では外を出歩かず家の中で皆でゆっくり過ごしたいと思います。娘が今週1歳の誕生日を迎えたので、対策を取りながらお祝いしたいです」と話していました。

また、新潟の実家に帰省するという21歳の男性は「帰省に向けて日頃から人との距離を取るなど感染予防を心がけてきました。例年であれば帰省すると買い物に出かけるなどして過ごしますが、ことしはこういう状況なので家にこもって過ごしたいと思います」と話していました。

JR東日本によりますと、東北新幹線や北陸新幹線などは、東京駅発車時点で自由席の乗車率が10%から95%になったということです。

去年の同じ時期の自由席の乗車率は5%から20%だったため、ことしは去年と比べると増加しています。

一方で、新型コロナウイルスによる影響がでる前のおととしの同じ時期では、乗車率が70%から150%となっていて、ことしも例年のような混雑は見られませんでした。

このほか、国内線の空の便や高速道路でも例年のような混雑はありませんでした。

名古屋駅 乗車率は異例の低さ

名古屋駅の東海道新幹線のホームでは、午前中、ふるさとなどへ向かう人はまばらで例年のような目立った混雑は見られませんでした。

JR東海によりますと名古屋駅を発車する東海道新幹線の自由席は、7日の始発から午後4時までの乗車率が、下りで10%以下から100%、上りは10%以下から最高でも40%にとどまっています。

JRは7日が下りの混雑のピークと予想していましたが、新型コロナの感染の急拡大の影響もあり乗車率は去年に続き異例の低さとなっています。

60代の女性は「母の介護のために岩手県の実家に帰省しますが、感染を広げてはいけないのでワクチンを接種した上で検査も受けました。実家では母とゆっくり過ごそうと思います」と話していました。

また、20代の男性は「福島県の実家に帰っていた妻が無事出産したので生まれた子どもに初めて会いに行きます。検査も受けましたが気をつけて移動しようと思います」と話していました。

広島駅 新幹線の空席目立つ

JR西日本によりますと、お盆休みの帰省などで新幹線を利用する人たちの混雑がきょうピークを迎え、JR広島駅ではマスクを着用するなど感染対策をしながらふるさとに戻る人たちの姿が見られました。

JR西日本広島支社内の駅を発着する新幹線の指定席の予約状況は、先月19日時点で下りが8万6000席と、予約が可能な席全体のおよそ10%にとどまり空席が目立っています。

下りの指定席の予約数は去年のお盆の期間と比べて13%減少し、感染が拡大する前のおととしと比べると80%減少しているということです。

横浜市から帰省した30代の男性は「自分も両親もワクチンを打ったこともあり2年ぶりに帰省しました。帰省している間は家族以外とは会わずにマスクもしっかりつけて感染対策に気を付けて過ごそうと思います」と話していました。