国内の累計感染者数100万人超 新型コロナ 急激な感染拡大続く

国内でこれまでに新型コロナウイルスの感染が確認された人が6日、100万人を超えました。
先月29日以降はほぼ連日、感染者が1万人を超え、感染拡大のペースが急激に上がっていました。

「第5波」で急増

国内で新型コロナウイルスの感染が確認された人の数は、国内での感染が始まってから1年半余りで、100万人を超えました。

ことし6月下旬以降の感染の「第5波」では、6日までの9日間だけで感染者数が10万人余りに上り、感染力の強い「デルタ株」の影響もあって、これまでにないスピードで感染拡大が進んでいます。

感染拡大 これまでのスピードは

新型コロナウイルスに感染した人が日本国内で初めて確認されたのは去年1月16日。中国の武漢に渡航していた神奈川県に住む30代の男性が肺炎の症状を訴え、感染が確認されたケースでした。

その後、国内でも感染拡大が起き、去年4月7日に初めての緊急事態宣言が出されたあと、国内の感染者数は4月18日に1万人を超えました。

そして、感染の「第2波」で8月11日に5万人を超え、最初に確認されてから9か月半後の10月30日には10万人を超えました。

これ以降、感染者が増加するスピードは上がり、20万人を超えたのは感染の「第3波」のさなかの12月21日で、30万人を超えたのはことし1月13日と、10万人から20万人になるまでは2か月足らず、20万人から30万人までは23日でした。
さらに、イギリスで最初に確認された変異ウイルス「アルファ株」の感染が広がったことし3月以降、関西を中心に「第4波」の急速な感染拡大が起き、国内の感染者数は4月9日に50万人を超えました。

続いて6月以降の感染の「第5波」では、感染力がさらに強い「デルタ株」が首都圏を中心に広がり、国内の感染者数はおよそ1年7か月で累計が100万人を超えることになりました。

50万人を超えたのは最初の感染が確認されてからおよそ1年3か月でしたが、50万人から100万人になるまではわずか4か月足らずとなっていて、特に「第5波」では、6日までのわずか9日間で感染者数が10万人余り増えるなど、これまでに経験したことのない規模での感染拡大が起きています。

医療体制はひっ迫

高齢者のワクチン接種が進んだ効果で、感染の「第5波」では亡くなる人の数の増加は、感染者数の増加に比べて緩やかになっていますが、感染の急拡大が続く中、重症患者が増加し、医療体制がひっ迫してきていて、厚生労働省の専門家会合は「通常であれば助かる命も助からない状況になることも強く懸念される。今後、死亡例も増加に転じていく可能性がある」と強い危機感を示しています。

世界の感染状況は

一方、アメリカのジョンズ・ホプキンス大学のまとめによりますと、国別の累計の感染者数は、アメリカで3544万人、インドで3186万人、ブラジルで2007万人、フランスとロシアで630万人、イギリスで601万人などとなっていて、世界各地で100万人を超えている国は日本以外に31か国あり、このところ、デルタ株の世界的な拡大で感染は再び増加傾向にあります。

専門家「感染リスク高い行動 できるだけ避けることが重要」

政府の分科会のメンバーで東邦大学の舘田一博教授は「日本は人口当たりの感染者数や死亡者を欧米などの国より少なく維持できてきたが、今、デルタ株の出現で急激な感染者数の増加がみられるようになっている。ワクチンの接種を進めながら、人に感染させてしまう、うつされてしまうかもしれないという意識で、感染リスクの高い行動をできるだけ避けることが重要だ」と話しています。