長期金利低下 約8か月ぶりゼロ%に 「デルタ株」拡大背景か

4日の債券市場では住宅ローン金利の目安にもなる長期金利が低下し、およそ8か月ぶりにゼロ%をつけました。新型コロナの感染拡大で世界経済の先行きへの懸念が高まり、比較的安全な資産とみられている日本国債が買われ、金利低下につながりました。

債券は買い手が増えて価格が上がると金利が低下する関係にあります。

4日の債券市場では長期金利のうち代表的な指標である満期までの期間が10年の国債の利回りが取引開始直後の0.005%からゼロ%に低下しました。

長期金利がゼロ%になるのは、去年12月以来、およそ8か月ぶりです。

国債が買われた背景には、感染力が強い新型コロナの変異ウイルス、デルタ株の広がりがあります。

世界経済の正常化が遅れることへの懸念などから、3日の海外市場では比較的安全な資産としてアメリカ国債を買う動きが強まり、アメリカの長期金利が低下していました。

日本国債もこの流れで買い注文が増えて金利低下につながりました。

市場関係者は「日本でも感染の再拡大が続いており、投資家はリスクを避けようと資金を国債に移動させている」と話しています。