都内の自宅療養者数 1か月で約11倍 かつてないペースで急増

東京都内で新型コロナウイルスの感染が急拡大しているのに伴い、自宅で療養している人も、この1か月でおよそ11倍に急増しています。
先月31日時点で初めて1万人を超え、かつてないペースで増えています。

都内では、自宅で療養している人が、およそ1か月前の先月1日時点で1006人でしたが、その後、感染の拡大とともに増え続けています。

先月15日に2000人を超えると、8日後の23日に5000人、さらにその4日後の27日に6000人を超えました。

ここからさらに増加のスピードが上がり、6000人を超えた翌日の28日に7000人、29日に8000人、30日に9000人をそれぞれ突破し、31日に初めて1万人を超えました。

8月1日時点では、1万1000人を超えて1万1018人となりました。

この1か月でおよそ11倍の急増で、かつてないペースで増えています。

都のフォローアップセンター 対応追いつかない事態に

東京都内の感染の急拡大に伴い、自宅で療養している人が初めて1万人を超え、医療相談や健康観察にあたる都のフォローアップセンターは対応が追いつかない事態となっています。
こうした人たちの医療相談や健康観察などにあたるため、都は、去年11月から民間業者に委託して「自宅療養者フォローアップセンター」を設けています。

看護師などが24時間体制で軽症や無症状の人に対して電話やLINEで対応し、保健所の負担を減らすとともに、自宅療養者への食料の提供など生活支援を行うのが狙いです。

都は、態勢を徐々に拡充し、現在は看護師と事務員、合わせておよそ100人で対応にあたっていますが、都によりますと、自宅療養者の急増に伴いセンターにかかってくる電話が増え、出られないものもあるなど対応が追いつかない事態となっているということです。
また、7月28日からは、当面の措置としてセンターがフォローする対象をこれまでの65歳未満から30歳未満に引き下げました。

都は、フォローする対象が多くなりすぎると、ひとりひとりに適切な対応ができなくなるおそれがあるとしていて、30歳以上は各地の保健所が対応するということです。

都の福祉保健局はホームページに「保健所やフォローアップセンターからの連絡について、数日お待ちいただく場合がございますので、あらかじめご了承ください」と掲載しています。

都の担当者は、「態勢のさらなる拡充を図っていきたい」と話しています。

小池都知事「総合的に進めていく」

東京都の小池知事は都庁で記者団に対し「今は圧倒的に無症状と軽症が多く、若い方々の比率も高いので、自宅で療養しているケースが多い。今、各保健所が陽性者の急増によってかなり厳しいこともあり、去年の11月ごろから都としてフォローアップセンターという機能を保健所のバックアップでつけている」と述べました。

そのうえで「これからも拡大が続くことを念頭に、考え方や在り方をどうやって改善していくかについて国とも連携しながら進めていく。40代、50代のワクチン接種を加速し、みずから守っていただくなど、総合的に進めていく」と述べました。