オリンピック【詳細】ゴルフ松山英樹 メダル獲得ならず

東京オリンピック、ゴルフ男子の最終ラウンドは最終組の単独2位から出た松山英樹選手が通算15アンダーまでスコアを伸ばし3位に入りました。松山選手は銅メダルをかけた7人でのプレーオフに挑みましたが、1ホール目で脱落して4位となりメダル獲得はなりませんでした。

埼玉県川越市で行われたゴルフ男子の最終ラウンドで、松山選手は通算13アンダーの単独2位から最終組でスタートしました。

1日の松山選手はパットが決まらず、序盤は我慢のゴルフが続きますが、7番のパー3で最初のバーディーを奪いました。

次の8番をボギーとしますが、すぐに9番でバーディーを取り返し、前半でスコアを1つ伸ばして首位を守るアメリカのザンダー・シャフリー選手と4打差で折り返しました。

後半は、11番と12番を連続バーディーとした松山選手は、13番をボギーとしたあとの14番パー5で2打目をグリーンに乗せてバーディーとします。

これで通算16アンダーに伸ばした松山選手に対し、シャフリー選手はこのホールをボギーとし先にホールアウトしたスロバキアのローリー・サバティーニ選手と通算17アンダーで並び、松山選手が1打差に迫ります。

追い上げを見せたい松山選手でしたが、続く15番で短いパーパットを外してスコアを1つ落とし、結局、最終ラウンドはバーディー5つ、ボギー3つで、通算15アンダーの3位でホールアウトしました。

3位には松山選手を含む7人が並び、プレーオフの1ホール目でパーをキープできなかった松山選手は4位となり、銅メダル獲得はなりませんでした。

金メダルは17番でバーディーを奪って通算18アンダーまでスコアを伸ばした、アメリカのザンダー・シャフリー選手で、1打差の銀メダルは最終ラウンドでスコアを10伸ばしたスロバキアのローリー・サバティーニ選手でした。銅メダルはプレーオフを4ホール目で制した台湾の潘政※ソウ選手でした。

一方、通算1アンダーの46位から出た日本の星野陸也選手はバディー5つ、ノーボギーで回り、通算6アンダーの38位でした。

(※ソウは「王」へんに「宗」)

“最後は力尽きた”

メダル獲得を逃して4位となった松山英樹選手は、一時は首位に1打差に迫りながら詰め切れなかったことについて「ショットは調子は戻せていたが、最後のパットで自分の弱いところが結果に出てしまった。体力も残っておらず、気力だけでプレーしていて最後は力尽きた」と悔しそうな表情で話しました。

7人でのプレーオフについては「バーディーをとれば、勝てると思っていた。セカンドショットも完璧だったが、風の読み間違いか、アドレナリンなのか、飛んだ場所が悪く、最後のパットも決めきれなかった」と振り返りました。

日本代表として4日間、戦い抜いたことについては「日の丸を背負うのはなかなかない経験で日本でのオリンピックで今後プレーできる機会はないと思うので、この位置にいたらメダルをとりたい気持ちが強かったがかなわず残念です」と話しました。

最後に応援してくれた人への思いを問われると「無観客でもたくさんのボランティアの方が応援してくれてその人たちのためにも期待に応えたかった。来週からまたアメリカに戻り、そこで結果を出せるように頑張ります」と感謝の気持ちを語りました。

マスターズチャンピオン 貫禄の戦いぶり

松山選手はことし4月に海外メジャー大会の「マスターズ・トーナメント」を制したときと同じ、アメリカのザンダー・シャフリー選手との最終日、最終組でプレーしました。

ただ、松山選手は初めてのオリンピックに大きな不安を抱えていました。先月、アメリカで出場していた大会中に体調不良となり、新型コロナウイルス感染が判明。海外メジャーの全英オープンを欠場するなど、一時は東京オリンピック出場も危ぶまれました。

大会前の会見でも表情は固く「10日間ずっと検査で陽性反応が続いて、ここに立てるか不安があった」と影響が少なくなかったことを明かしました。

本格的に練習を再開したのは日本に帰国してからで、大会までわずか1週間ほどの間で調整を余儀なくされました。

日本代表の丸山茂樹監督も「本人はあからさまに体力がなくなっている自分に不安になっていた。練習もラウンドもできず、ここに来るまで1試合もできていない。全部が不安要素で本当に不安なんだろうと思った」と明かしました。

鈍っている試合感覚をいかにして取り戻すか。しかし、いざ大会が始まるとその心配をよそに、得意のアイアンショットのキレはさえ渡りました。特にグリーン回りのアプローチは抜群で、バーディーを量産。あっという間にリーダーボードを駆け上がり、首位争いを演じました。

圧巻だったのは第2ラウンド。雷により試合が順延し、2ホールは翌日に持ち越される不運もありましたが、そこでもきっちりバーディーをとる精神的な強さも見せて、バーディー7つのノーボギー。プレー内容には決して満足していませんでしたが、状態に不安を抱え、さらにはオリンピックという大きな重圧がかかるなかでも、マスターズチャンピオンらしい貫禄の戦いぶりでした。

その影には、努力を惜しまない姿勢があることも感じました。第1ラウンド終了後、取材を早めに切り上げた松山選手は練習場で日が暮れるまでスイングを繰り返していました。

オリンピックの会場となった「霞ヶ関カンツリー倶楽部」は、松山選手が高校生のときに日本ジュニア選手権を制し、大学生の2010年にはマスターズ初出場につながるアジアアマチュア選手権で優勝したゆかりのあるゴルフ場です。

大会前には「自分の人生を変えてくれた場所。またここで人生を変えることができたら」と語っていた松山選手。単独2位からスタートした最終日は我慢のゴルフとなり、プレーオフの末、惜しくもメダルには届きませんでしたが、松山選手の姿は人気低迷に苦しむ日本の男子ゴルフ界を変えるきっかけになる可能性を示しました。

最終ラウンド詳細

【1番】パー(パー4)
松山選手は1番のティーショットを左のラフに入れましたが、2打目をグリーンに乗せ、このホールパーとしました。首位でアメリカのザンダー・シャフリー選手がバーディーとしたため、松山選手とは2打差となりました。

【2番】パー(パー4)
松山選手は2番のティーショットでフェアウェイをキープ。2打目でグリーンをとらえました。しかし、バーディーパットは決まらずこのホールはパーでした。首位のシャフリー選手は連続バーディーとしたため、松山選手との差は3打に開きました。

【3番】パー(パー4)
松山選手は3番のティーショットでフェアウェイをキープし、2打目でグリーンをとらえました。しかし、バーディーパットは外してこのホールもパーとしました。この時点で松山選手とスロバキアのローリー・サバティーニ選手など4人が2位で並んでいます。

【4番】パー(パー3)
松山選手は4番のティーショットで、グリーンをとらえたもののカップまで距離を残しました。バーディーパットも距離を残し、このホールもパーでした。イギリスのポール・ケーシー選手が通算14アンダーで単独2位に浮上し、松山選手など3人が1打差で3位に並んでいます。

【5番】パー(パー5)
松山選手は5番パー5の2打目でグリーン近くまで運び、3打目はパターを使ってピンそばに寄せました。しかし、バーディーパットはカップに嫌われ、このホールはパーでした。
首位でアメリカのザンダー・シャフリー選手はこのホール、バーディーとして通算17アンダーまでスコアを伸ばし、松山選手との差は4打に開きました。

【6番】パー(パー4)
松山選手は6番のティーショットでフェアウェイをキープし、2打目をグリーンに乗せました。しかし、バーディーパットは決まらず、このホールもパーでした。スロバキアのローリー・サバティーニ選手が通算14アンダーにスコアを伸ばしたため、松山選手は4位に順位を下げました。

【7番】バーディー(パー3)
松山選手は7番パー3で、ティーショットをグリーンに乗せ、この日、初めてのバーディーを奪いました。通算14アンダーとして、イギリスのポール・ケーシー選手などと並んで2位に順位を上げました。首位でアメリカのザンダー・シャフリー選手とは3打差です。

【8番】ボギー(パー5)
松山選手は8番パー5で、ティーショットを左に曲げて深いラフに入れました。2打目をミスしてラフから出すことができず、3打目でフェアウェイに出しました。カラーから打った5打目を外し、このホール、ボギーとして通算13アンダーにスコアを落としました。首位でアメリカのザンダー・シャフリー選手はこのホールをバーディーとして通算18アンダーにスコアを伸ばし、松山選手は5打差の5位に順位を下げました。

【9番】バーディー(パー4)
松山選手は8番をボギーとしたあとの9番パー4で2打目をピンそばに寄せ、この日、2つ目のバーディーを奪い、すぐにスコアを戻しました。松山選手は、前半を終えて通算14アンダーの4位につけ、首位でアメリカのザンダー・シャフリー選手とは4打差となっています。
【10番】パー(パー3)
松山選手は10番パー3で、ティーショットをグリーンに乗せました。長い距離のバーディパットは惜しくもカップの右に外しました。後半最初のホールをパーとして順位は4位のまま変わりません。

【11番】バーディー(パー4)
松山選手は11番パー4の2打目をピンそばに寄せ、この日、3つ目のバーディーを奪いました。通算15アンダーにスコアを伸ばし、首位と3打差の2位に順位を上げました。

【12番】バーディー(パー4)
松山選手は12番パー4のティーショットでフェアウェイをキープし、2打目のアイアンショットをピンそばにピタリとつけて連続バーディーを奪いました。松山選手は通算16アンダーとして2位をキープし、首位との差を2打に縮めました。

【13番】ボギー(パー4)
松山選手は連続バーディーを奪ったあとの13番パー4で、2打目のバンカーからのショットを再び別のバンカーに入れました。3打目でグリーンを捉えましたが、パーパットを外し、このホールをボギーとしてスコアを1つ落とし通算15アンダーで順位を3位に下げました。

【14番】バーディー(パー5)
松山選手は14番パー5でラフからの2打目をグリーンに乗せました。イーグルパットは外したものの、このホールバーディーとしてスコアを通算16アンダーに戻しました。首位でアメリカのザンダー・シャフリー選手はこのホール、ティーショットを林に入れるなどミスが続き、スコアを1つ落とし、すでにホールアウトしているスロバキアのローリー・サバティーニ選手と通算17アンダーで首位に並びました。この時点で松山選手は首位と1打差の3位となっています。

【15番】ボギー(パー4)
松山選手は15番パー4のティーショットでフェアウェイをキープ。2打目はグリーンをとらえたものの、カップからは距離を残しました。3打目のバーディーパットを決められず、さらに返しのパーパットも外してボギーとし通算15アンダーとなりました。首位との差は2打に開きました。

【16番】パー(パー3)
松山選手は16番のパー3で、ティーショットをグリーンに乗せたものの、バーディーパットを決められず、このホールはパーでした。首位との差は2打で変わらず、順位も3位をキープしています。

【17番】パー(パー4)
松山選手は17番のパー4で、バンカーからの2打目をピンそばに寄せましたが、バーディーパットを決められず、パーとして順位は3位のままです。アメリカのザンダー・シャフリー選手がこのホール、バーディーとして単独首位に立ち、松山選手との差は3打に広がりました。

【18番】パー(パー4)
松山選手は18番のパー4で、バンカーからの2打目をピンそばに寄せましたが、バーディーパットを決められず、このホール、パーとしました。18ホールを終えて通算15アンダーとした松山選手は、銅メダルをかけて同じスコアだった7人とプレーオフを争うことになりました。

<プレーオフとは>
ゴルフ男子のプレーオフは最終ラウンドの18ホールを終え、通算の成績が並んでメダルの色が決まらなかった場合に実施され、今回は銅メダルをかけて争われます。18番パー4、10番パー3、11番パー4の順にメダルを獲得する人が決まるまでプレーを繰り返します。