高齢者への新型コロナウイルスのワクチン接種について、北海道釧路市は、完了の時期を当初の10月中から今月末へと大幅に前倒しして計画を進め、31日中に希望者すべての接種を終える見通しだとしています。
釧路市が市内の観光国際交流センターに設けた大規模な接種会場には、30日も事前に予約したおよそ1000人の高齢者が訪れ、接種を受けました。
高齢者へのワクチン接種について釧路市は、当初、完了の時期を10月中としていましたが、国が今月末までに終えられるよう取り組む考えを示したことを受けて、計画の大幅な前倒しを進めてきました。
具体的には、1日1000人が接種できる大規模な接種会場を設けるとともに、医師を確保するため日給を17万5000円まで一時引き上げて道内外から募集するなどして接種のペースを早めてきました。
その結果、29日の時点で、釧路市内の65歳以上の高齢者5万8000人余りのうち、1回目の接種を受けた人は全体の84%、2回目の接種も終えた人は全体の72%となりました。
釧路市は、本人の都合で接種できなかった人を除き、31日中に希望者すべての接種を終える見通しだとしています。
接種を受けた67歳の女性は「ひとまず接種を終えて安心しました。若い人の感染が増えているのでほかの世代の人にも早く接種を行ってほしい」と話していました。
釧路市では64歳以下の人たちへの接種は来月以降、年代ごとに行う計画で、近く、スケジュールや予約方法などを発表することにしています。

高齢者へのワクチン接種 2回終了はおよそ74% 30日時点
新型コロナウイルスのワクチンの接種を2回終えた高齢者は30日時点で高齢者全体のおよそ74%となっています。希望する高齢者への接種を7月中に完了させるという目標について厚生労働省は、「目標が達成できたかどうかは関係省庁で整理しており、近いうちに示したい」としています。
今年度中に65歳以上になる高齢者への接種はことし4月から始まり、政府は希望する高齢者への接種を今月末までに完了させることを目指していました。
31日公表された30日時点の最新の状況によりますと、2回の接種を終えた高齢者は2644万7465人で高齢者全体の74.53%となっています。
1回目の接種を受けた高齢者は3054万1563人で、86.07%です。
2回の接種を終えた高齢者の割合が最も高いのは岐阜県で85.96%、佐賀県や滋賀県、石川県、山形県、和歌山県、山口県でも8割を超えています。
最も低い栃木県で65.98%となっています。
一方、医療従事者や64歳以下の人も含めると、1回目の接種を受けた人の割合は29日時点で全人口の38.43%、2回目の接種も終えた人は27.64%となっています。
希望する高齢者への接種を7月中に完了させるという目標について、厚生労働省は「目標が達成できたかどうかは関係省庁で整理しており、近いうちに示したい」としています。
そのうえで、「システムにまだ入力されていない接種もあるが、高齢者の7割以上が2回目の接種を終えていて、呼びかけの効果があったと考えている。10月から11月までに希望するすべての国民が接種を終えられるよう取り組んでいきたい」としています。