春闘 大手の賃上げ 8年ぶり2%を下回る コロナで業績ばらつき

ことしの春闘で大手企業が回答した月額賃金の引き上げ率は、新型コロナウイルスの感染拡大で企業の業績にばらつきがみられたことから、8年ぶりに2%を下回りました。

経団連は、ことしの春闘で東証1部に上場する従業員500人以上の大手企業130社の回答状況について、最終集計をまとめました。

それによりますと、定期昇給にベースアップを加えた月額賃金の引き上げ額は、平均で6124円で去年を972円下回りました。

賃金の引き上げ率も1.84%にとどまり、8年ぶりに2%を下回りました。

業種別で見ると、建設や自動車など5つの業種で引き上げ率が2%以上となる一方で、そのほかの11の業種では2%を下回り、感染拡大で業績が悪化した鉄鋼や鉄道などは1%台前半の低い水準にとどまりました。

経団連は「同じ業界の中でも業績がよかった企業と悪かった企業の間で、賃上げへのスタンスがはっきりと分かれる結果となった。企業が足並みをそろえて賃上げをすることが難しくなっている」と話しています。