西村大臣「緊急事態宣言」地域追加と期限延長を前に国会で質疑

緊急事態宣言の対象地域に、埼玉、千葉、神奈川、大阪の4府県が追加され、東京と沖縄の宣言の期限も延長されるのを前に、国会では、西村経済再生担当大臣が事前の報告を行い、各党による質疑が行われました。

「40代・50代への接種の効果を見たい」

自民党の松本洋平氏は「今回の決定に、国民の中には『またか』という思いが強くある。期限を来月31日としたことの根拠と見通しを示してほしい」と質問しました。

西村大臣は「高齢者にワクチン接種が進み、このあと8月に入って、現役世代への接種も進むと思う。40代や50代への接種が進むことの効果もしっかり見ていきたいということで、専門家とも話をしており、それを見極めるためにも、来月31日までとした」と述べました。

「全国に緊急事態宣言をかけることも」

立憲民主党の原口・元総務大臣は「今回のように、区域を限って緊急事態宣言の出し入れをするのは、もう限界ではないか。全体に一気に網をかけるべきだ」とただしました。

西村大臣は「私自身は、全国に緊急事態宣言をかけることも頭に置いて議論してきたが、全国的に見ると、感染を非常に少なく抑えているところもある。緊急事態宣言の発出は、私権の制約を伴うものであり、最終的に今回の形で決定させていただきたい」と述べました。

「若い世代への接種は大きな課題」

公明党の竹谷とし子氏は「高齢者への感染の割合が減少している一方、ワクチンを打ちたくても打てない若い世代がたくさんいる。ワクチンの供給を安定化させてほしい」と求めました。

西村大臣は「若い世代への接種は大きな課題であり、重要なテーマだ。希望するすべての国民に接種できる十分な量が確保されているので、自治体や大学、職域などでの接種が円滑に進むように、私の立場でもサポートしていきたい」と述べました。

「アストラゼネカ活用も1つのアイデア」

日本維新の会の東総務会長は「40代、50代のワクチン接種を進めるため、アストラゼネカのワクチンを、感染者数が多い東京や大阪などの大都市で接種していくべきではないか」と指摘しました。

西村大臣は「重症化する人が増える中で、大都市部で、この世代へのアストラゼネカのワクチンの活用を進めるのは、1つのアイデアだと思う。指摘も踏まえながら、河野規制改革担当大臣と連携して対応していきたい」と述べました。

「自宅での観戦が夜間の人流減少に」

共産党の塩川鉄也氏は「国民に行動抑制を求めている時に、オリンピックの開催は矛盾したメッセージとなる。今からでも中止すべきではないか」とただしました。

西村大臣は「多くの人に協力をいただき、自宅で観戦して応援してもらうことで、今の夜間の人流減少につながっていると思う。他方、感動したままの高揚感で活動が活発になると、ちょっとした隙で感染が広がるので、危機感をしっかりと共有していきたい」と述べました。

「強制力緩い特別措置法 何らかの対応を」

国民民主党の矢田副代表は「都道府県知事による要請ベースの対策ではもう限界だ。早期に臨時国会を開いて、特別措置法の改正や補正予算について検討すべきだ」と求めました。

西村大臣は「強制力の緩やかな特別措置法の運用で、なかなか協力に応じていただけない。感染力が強い『デルタ株』のほか、将来もっと感染力の強い感染症が出てくるかもしれない中、特別措置法について、何らかの対応をしなければいけないと思う」と述べました。