オリンピック 卓球 伊藤美誠 女子シングルス初の銅メダル

東京オリンピック、卓球女子シングルスの3位決定戦で、伊藤美誠選手がシンガポールの選手にゲームカウント4対1で勝って銅メダルを獲得しました。
女子シングルスでのメダル獲得は日本選手で初めてです。

東京オリンピック大会7日目の29日、卓球の女子シングルスの3位決定戦が行われ、世界ランキング2位の伊藤美誠選手が、世界47位のシンガポールのユー・モンユー選手と対戦しました。

伊藤選手は第1ゲーム、相手の粘り強さに苦しめられて5連続でポイントを失うなど、6対11でこのゲームを落としましたが、第2ゲーム、第3ゲームは力強いフォアハンドなどで続けて奪いました。

第4ゲームも伊藤選手がポイントを重ねて、一時6対1と大きくリードしましたが、このあと攻撃にミスが目立ち、8対7と追い上げられたところでタイムアウトをとりました。

タイムアウトのあと、伊藤選手は相手のボールを粘り強く返し、コースを突くショットも見せて3連続ポイントを奪い、このゲームも取りました。

伊藤選手は続く第5ゲームも取って、ゲームカウント4対1で勝って、銅メダルを獲得しました。
女子シングルスでのメダル獲得は日本選手で初めてです。

混合の金に続く 2つめのメダル

伊藤選手は、日本卓球界初となった混合ダブルスの金メダルに続いて2つめのメダル獲得です。

伊藤選手は今大会、日本代表の6人の選手の中でただひとり、シングルスと団体、それに混合ダブルスの3種目に出場しています。

最初の種目となった新種目の混合ダブルスでは、水谷隼選手とペアを組み、決勝で強豪の中国ペアにフルゲームの末に競り勝って、日本卓球界初の金メダルを獲得しました。
その翌日からは睡眠時間3時間ほどで女子シングルスに臨みました。伊藤選手は前回のリオデジャネイロオリンピックは団体のみの出場だったため、シングルスは初めての出場です。

巧みにラケットを使った独創的で多彩な技が持ち味で、誰にもまねのできない唯一無二のプレースタイルで、世界ランキングは2位。

今大会もサーブで主導権を握る得意の攻撃の形で危なげなく勝利し、ベスト4に進みました。
しかし、準決勝では、同じ20歳の中国の孫穎莎選手を相手に、得意のサーブやレシーブで先手が取れず苦しい展開となり、ストレート負けを喫しました。

それでも試合のあと「すごく悔しいが、気持ちを切り替えて次の試合に入りたい」と話し、3位決定戦では世界47位でシンガポールのモンユー選手に勝利して、銅メダルを獲得しました。

伊藤「悔しい気持ちのほうが大きい」

伊藤選手は「勝ったことはうれしいが、悔しい気持ちのほうが大きい。サーブレシーブは準決勝よりよくなったが、全体がよい状態で臨めなかったので、そこは悔しい気持ちがある。準決勝で負けたあと、たくさん励ましてもらって、気持ちを早く切り替えることができたが、悔しい気持ちと自分がうまくプレーできなかった気持ちが残っている」と話していました。

目に涙を浮かべていることを問われると「悔し涙です」と答えていました。

【試合経過】

▽第1ゲーム 伊藤選手は6対11でこのゲームを奪われました。

▽第2ゲーム 伊藤選手は11対8でこのゲームを奪いました。ゲームカウントは1対1となりました。

▽第3ゲーム 伊藤選手は11対7でこのゲームを奪いました。ゲームカウントは伊藤選手が2対1とリードしています。

▽第4ゲーム 伊藤選手が11対7でこのゲームを奪いました。ゲームカウントは伊藤選手が3対1とリードし、銅メダルまであと1ゲームとしました。

▽第5ゲーム 伊藤選手が11対6でこのゲームを奪いました。伊藤選手はゲームカウント4対1で勝って銅メダルを獲得しました。

決勝は中国勢どうしの対決に

中国勢どうしの対決となった決勝は、世界ランキング1位の陳夢選手が、期待のホープ、孫穎莎選手を退けて金メダルを獲得しました。

試合は、2ゲームずつを取り合ったあとの第5ゲームで孫選手が力強い攻撃を仕掛けましたが、陳選手が何度も打ち返して、11対4で奪いました。

続く第6ゲームでも陳選手が持ち味の安定した正確なショットで孫選手の攻撃をしのぎきり、ゲームカウント4対2で勝って金メダルを獲得しました。

試合のあと、陳選手と孫選手は抱き合って健闘をたたえ合い、2人で中国の国旗を掲げて喜びを表現していました。

陳選手は「表彰式の瞬間、自分のことを誇りに思えた。コートで苦しい状況に陥ったとき、ひとりではなくみんなで戦っている感覚で、会場に来られなかった人も含め、私が金メダルを持ち帰るのを期待してくれていたと感じている」と話していました。

孫選手は「自分が練習で準備したことはすべて発揮できたので、残念な気持ちは全くない。確かに実力で足りない部分もあったが、未来の道はまだ長いので、頑張りたい」と話していました。

混合ダブルスの決勝では水谷選手と伊藤選手のペアに敗れ金メダルを逃し、出鼻をくじかれた「卓球王国・中国」にとって、仕切り直しの戦いとなった女子シングルス。
陳選手と孫選手にとって期待がプレッシャーになってもおかしくない状況でしたが、2人とも決勝まで勝ち上がって金メダルをもたらし、これまでオリンピック8大会で金メダルを逃したことがない“得意種目”で、改めてその強さを示しました。