五輪競技中継し深夜営業の飲食店も 都200人態勢で見回りへ

新型コロナウイルスの感染が急拡大する中、東京の繁華街では、都の要請に応じず酒を提供し、深夜まで営業している飲食店もあります。この中にはオリンピックの中継を流して多くの客で密状態になっている店もあり、東京都は飲食店の見回りを行い、酒を提供しないことなどを求めることにしています。

東京都は、7月12日からの緊急事態宣言を受け、飲食店に対し酒の提供をせず、夜8時までの時短営業を要請しています。

またオリンピックについて、国や都は不要不急の外出を自粛して自宅でテレビ観戦するよう呼びかけています。

しかし東京・渋谷の繁華街では、店の前に「オリンピック放映中」という貼り紙をするなどして酒を提供しながら営業を続けている店もあり、多くの客が訪れています。

このうち深夜12時まで営業している飲食店では、28日夜はオリンピック、サッカー男子の日本の試合をモニターで流し、多くの客が酒を飲みながら店の外まで聞こえるほど大きな歓声があがっていました。

この店の店長は「都から出される協力金は十分ではなく、自分でどうにかするしかない。店を閉めて倒産するのではなく、開けて生き残る方を選んだ。感染がさらに拡大しても、営業を続けるしかない」と話していました。
一方、渋谷にあるスポーツバー「Fields」では、都の要請に従って酒を提供せず、毎日午後8時に店を閉めています。
28日はサッカーの試合を店で見たいという電話が入っていましたが、店長の田中守さんが来店を断っていました。

田中さんは「行政に従わない店もあるが、経営者がそれぞれ決断したと理解している。自分の店がルールに従っている中で、感染が拡大し、むなしく感じる」と話していました。

都は緊急事態宣言後、最大で1日200人が飲食店の見回りを行う態勢をとっていて、感染が急拡大する中、酒を提供しないことや時短営業を求めることにしています。