新型コロナ “ジワジワくる” 神奈川県の注意呼びかけ文が話題

神奈川県がLINEやツイッターで送っている新型コロナウイルスへの注意の呼びかけ文が、「短文小説のようだ」「ジワジワくる」などとネット上で話題になっています。神奈川県にはオリンピックの競技会場があり担当者は「外に出ず家のテレビなどで観戦するよう配信していきたい」と話しています。

話題になっているのは、神奈川県が配信をしている「新型コロナ対策パーソナルサポート(行政)」です。

これまでは「感染者数」や「横浜駅周辺の人流」など、データが中心でした。

しかし今月に入ってスタイルを変え、感染した人がどんな状況で過ごしたのか、詳細に分かる内容を加えました。
例えば今月23日の配信は「仲良しの友人たち、10人ぐらいでバーベキュー。みんなで鉄板を囲んで近い距離でマスクを外し飲食しながら楽しく会話。数日後、次々と友人の感染が判明し、クラスターとなってしまいました」という文章のあと、「大切な人を守るためにも、会話の際はマスクを着用し密接な環境での飲食はやめましょう。屋外でも感染はします」といった注意呼びかけを続けました。
また27日には「微熱が出たが、風邪だと思い風邪薬を飲んで外出していた。しかし、その後症状が悪化し重症化。病院でコロナウイルスに感染していることがわかった」など微熱を楽観視し、重症化した人の例もあり、「いつもと違う体調の変化に気づいたら、外出や出勤などは控え、医療機関へ事前連絡の上、早期に受診しましょう」と体調の変化を感じたら外に出ないよう促しました。

これがネット上で話題となり「短文小説みたい」「これジワジワくる」「わたしもこれ毎日読んでる。こういう身近な例が大事なんじゃないかなと眺めている」などという投稿があがってきています。

神奈川県に聞くと配信を担当しているのは、医療危機対策本部室のグループで、担当者は「ベテランが文章を作るといかにもな行政文章になってしまうので、ツイッターやLINEに慣れている20代の職員に文章を作ってもらっています」と話しています。

また「感染者の聞き取りをすると、同じような場面で感染をしている人が多いんです。外でのバーベキューで感染したとか具体的に書けば若い人たちにも関心をもって見てもらえるかもしれないと思ったんです」と感染した状況をわかりやすく示した狙いを話してくれました。

神奈川県は東京オリンピックの野球やサッカー、セーリングなどの競技会場があり、「神奈川県でも感染者が増えてきているので心配しています。外に出るのではなく家のテレビで観戦してもらえるよう配信していこうと思っています」とも話していました。