首都圏3県 新型コロナ感染急拡大で「緊急事態宣言」要請へ

新型コロナの感染拡大が深刻な状況になっている首都圏の神奈川・埼玉・千葉の3県は、政府に対して「緊急事態宣言」を要請する方向で調整しています。

神奈川県 黒岩知事「3県の意向は固まっている 国と調整」

神奈川県の黒岩知事は新型コロナウイルスの感染拡大が深刻な状況になっているとして、近く埼玉県と千葉県とともに政府に緊急事態宣言を出すよう要請する考えを明らかにしました。

神奈川県内の新規感染者数は今月6日から22日連続で前の週の同じ曜日を上回っていて、27日は758人とことし1月21日以来半年ぶりに700人を超えました。

こうした状況について黒岩知事は28日午前「いちばん心配していた感染者激増のモードに入ってしまった。ワクチン接種を急いでいるが、いつピークアウトできるのか、医療現場は崩壊する直前だ」と述べました。

そのうえで「埼玉県、千葉県を含めた3県の意向は固まっているが、緊急事態宣言を出す国との調整を行っているところで、いつ要請するかはまだ決まっていない。神奈川県としては1都3県がまとまって対応することが効果的だと考えていて、近々そういう形になると思う」と述べ、近く3県がそろって政府に緊急事態宣言を出すよう要請することになるという考えを示しました。

埼玉県 大野知事「調整の最終段階」

埼玉県の大野知事は、政府への緊急事態宣言の要請について28日夜に開かれる県の専門家会議に諮る方針を決めたことが関係者への取材で分かりました。

大野知事は、緊急事態宣言の要請について27日の定例会見で「選択肢に入れながら神奈川県や千葉県と意見を交わしている」と述べ、早急に対策をとる考えを示していました。

28日午前、NHKの取材に対し「調整の最終段階だ」と述べましたが、関係者によりますと緊急事態宣言を政府に要請することを決め、28日夜開かれる県の専門家会議に諮問するということです。

県は、専門家会議の内容を踏まえ神奈川県や千葉県とともに国に要請する方向で調整を進めることにしています。

千葉県 熊谷知事「年末年始の状況 超えること間違いない」

千葉県は28日にも県の対策本部会議を開き、政府に対して緊急事態宣言を要請することを決めたい考えで、市町村に措置内容について説明するなど調整を進めています。

千葉県の熊谷知事は27日、県内の感染状況について「感染者の多かった年末年始の状況をはるかに超えることは間違いない」として強い危機感を示し、国や神奈川県、埼玉県とも緊急事態宣言の発出について協議を進めていることを明らかにしていました。

加藤官房長官 “要請出されれば速やかに検討”

加藤官房長官は午前の記者会見で、首都圏の3県では新規感染者数が増加していることから感染状況などの認識を共有しているとして、緊急事態宣言を発出するよう要請が出されれば速やかに検討する考えを示しました。

この中で加藤官房長官は、緊急事態宣言が出されている東京に加えて首都圏の埼玉、千葉、神奈川の3県では新規感染者数の増加が続いていることから27日、関係閣僚で強い警戒感を共有したと説明しました。

そのうえで、千葉県の熊谷知事が緊急事態宣言の発出を政府に要請する考えを示していることについて「千葉県を含む3県との間で感染状況や医療提供体制の状況のほか、対策の効果なども含め認識の共有化を図っている。仮に要請が出されれば速やかに検討を行い、基本的対処方針にのっとって判断していくことになる」と述べました。

そして
▽飲酒を伴う会合や、大人数、長時間の会合を控えるほか
▽東京オリンピックは自宅で観戦するなど
不要不急の外出を自粛するよう改めて協力を呼びかけました。

また、記者団からオリンピックへの影響を質問されたのに対し「東京都の夜間の滞留人口を見ると、前回の緊急事態措置の際と比べて緩やかな減少となっているものの減少が続いている。海外から来日した選手や大会関係者に重症者が生じたという報道にも接しているわけではない」と述べ、引き続き対策に万全を期す考えを示しました。